セックス自慢、過激なポルノ私小説、獄中結婚…男を狂わす“木嶋佳苗”の正体とは?

文芸・カルチャー

2016/11/4

 11月4日(金)21時から、殺人事件に関与したとされる女性の人生にスポットをあてたドキュメンタリー番組『追跡!平成オンナの大事件』(フジテレビ系列)が放送される。取り上げるのは、(1)首都圏連続不審死事件/木嶋佳苗被告)、(2)鳥取連続不審死事件/上田美由紀被告、(3)大阪2児餓死事件/下村早苗受刑者、(4)大阪東住吉幼児6年遺棄事件/大滝ちぐさ受刑者の4人だ。

 木嶋佳苗に関しては、これまでダ・ヴィンチニュースでも関連書籍を紹介してきた。何よりも衝撃だったのは、世間的な“美人”とはかけ離れた彼女が次々と男性を騙しお金を受け取り、獄中結婚まで果たしてしまうモテっぷりだ。そこまで男性たちを惹きつける彼女の魅力とは何なのか? そもそも木嶋佳苗とは何者なのか? ここで過去のニュースを振り返る。

木嶋佳苗という不可解きわまりない存在の正体を追う

 『毒婦。木嶋佳苗 100日裁判傍聴記』(北原みのり/朝日新聞出版)は、木嶋佳苗事件の100日の公判を追ったルポルタージュだ。本書に書かれていることは、
1.事件のあらまし
2.公判の模様
3.著者が見た木嶋の素顔
の3つである。

 著者が「ただ私は、木嶋早苗という女が、全く全く全く、分からなかった」とう言うように、その分からなさが著者を100日の裁判傍聴に駆り立てたのだ。木嶋は、回ごとに服をかえ、化粧を施し、髪型を整える。小柄で美肌で声が麗しい。被告席で他人事のようなたたずまいをみせ、感情的になりがちな検察側をさらりといなしたりもする。著者はますます木嶋の正体が見えなくなってくるのだ。
木嶋は男性たちに手料理を作り、「本気で思って下さるなら交際期間中も避妊しなくても構いません」といいながら、その裏で飲み物に大量の睡眠導入剤を混ぜていたといわれている。彼女の言動には、凄惨な暴力の匂いも女の犯罪につきものの粘度のようなものも、一切ない。裁判を通してこの正体不明の不気味な女の実像に迫っていく。【詳しくはこちら

木嶋佳苗被告が獄中で執筆したエロ私小説のスゴい中身

 『女性自身』(2013年10月29日号)が一部内容を報じた木嶋佳苗の私小説。当誌によれば、そこには木嶋被告の人生で起きたこと全てが描かれているという。少女時代からの男性遍歴、初体験からセックスの喜びを感じ、多くの男性から讃美されたこと。<私は18歳からモテるのが当たり前として生きてきました> という自信と自負に溢れたものだという。

 その内容はまさにエロ小説そのもので、大学ノート41冊という大作だそうだ。その私小説の全容を予測させる1冊が『木嶋佳苗劇場 完全保存版! 練炭毒婦のSEX法廷大全』(神林広恵、高橋ユキ/宝島社)。一審法廷での木嶋被告の肉声が収録され、また著者神林によるルポなど多角的視点から木嶋被告に迫るものだが、そこには被告の人生の軌跡、多くの男性との関係、セックス観などが赤裸々に描かれている。

<テクニックというより本来持っている機能が高いと褒められた>
<私はセックスにおいて一般の女性とは違う>
<セックスによって長時間快楽を持続させながらトリップするという世界観を大事にしてきた>
など…。自分がいかに特別な存在で、女性として優れているかを綴った彼女の傲慢っぷりを覗くには十分だろう。【詳しくはこちら

獄中結婚した“木嶋佳苗”は、なぜモテる? 過激なポルノ私小説『礼讃』でその謎が明らかに!

 2015年2月に発売された自伝的小説『礼讃』。本書は、2013年12月24日付で立ち上げ、翌年6月からは有料ブログとして自身の生い立ちからを振り返った「木嶋佳苗の拘置所日記」をまとめたものだ。

 なぜ男たちを手玉にとれたのか――大半の読み手はその謎を解明すべく、現実の木嶋に繋がるトラウマや心の闇を探そうとするだろう。だが「(売春を指して)私がしていたことは、拝金主義でも、承認欲求でも自傷行為でもない。親への欲望を代理充足したのでもない」とあるように、明らかな心理的因果関係を探すのは実は容易な事ではない。自身の性器の魅力、金のない男たちの切り捨て、そして自分を否定するものたちへの侮蔑を描く時だけは、執着や功利的で利己的な側面を見せるものの、描写がいちいち克明な割には全体に不快以外の主体的な感情は薄く、その場に流される感じは不気味ですらある。

 しまいには、「女同士の付き合いにかまけて、男性を大切にすることを忘れてしまったのではないか」と世の女性に苦言を呈す。その上で「私は男性に対して演技をしたことはない。男性が望むことをするのが、私にとっての喜びであり、それが自然な行為だった。(中略)(男たちの抑圧された心の奥を汲取ることで)そうした心の深いところから無意識に湧き出たもののふれ合いは、セックスより強力な接着剤になる。その上、セックスも良ければ、離れられないのは当然だろう」と勝利宣言してみせる。時に男たちの「命」まで引きずりこむ木嶋佳苗の引力とは何なのか?【詳しくはこちら

■木嶋佳苗の事件にインスパイアされた小説も!

木嶋佳苗が超越した、女性につきまとう美醜の問題―『黄泉醜女』花房観音インタビュー前編
木嶋佳苗が、男にとっての女神になり得た理由―『黄泉醜女』花房観音インタビュー後編