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頭の中は「離婚」の2文字…夫への不満やイライラ溜まってない? 共働き夫婦あるある


『おしどり夫婦25年やっていますが 私、こっそり離婚をたくらんでいます』(ふじわらかずえ/オレンジページ)

 本当の家庭の様子なんて、外からは誰もわからない。仲が良さそうな夫婦が実は、仮面夫婦だったり、クールでドライな関係に見える夫婦が実は、家では片時も離れなかったり。「夫婦」に対する他人からの評価と「夫婦」の心の中は、同じとは限らない。

 コミックエッセイ『おしどり夫婦25年やっていますが 私、こっそり離婚をたくらんでいます』(ふじわらかずえ/オレンジページ)の著者は、周りから「いつも仲がよいですね」と言われているが、「内情はちょっと違う……!」と思っている。おしどり夫婦のイメージとは裏腹に、内心のモヤモヤはふくらんでいき、ついには「離婚」の2文字に頭を支配されてしまった。

 そこまでに至った経緯を、ほんのささいな夫へのイライラも含めて、他人には恥ずかしくて言えないような心情とともに、赤裸々に描いている。

 例えば、1週間分の食材の調達にスーパーに行った時、夫はレジでポイントカードを出して現金は出さない。さっさと、カゴをさらって袋に買った食材を詰め込み始める。妻は思う。「私がお金出すなら、ポイントカードも私のを出すわ!」共働きのどんぶり勘定夫婦あるあるだ。

 また、夜型の妻と超朝型の夫。著者の家は、妻がイラストレーター、夫がデザイナーで、夫婦そろって自宅が仕事場。ぐっすり寝ている夫を起こさないように、ドライヤーも寝室で使い、テレビも音量3で観る。それに引き換え、夫は昼間からテレビを音量20以上で観る。仕事の電話の声もやたら大きいし、「えーっと」が多いしゃべり方も鼻につく。妻は思う。「なんで私ばっかり我慢しなくちゃいけないの!」勤務時間が異なる夫婦のすれ違いあるあるだ。

 家庭がうまくいっていないと、家に帰りたくなくなる。夜中の2時に見知らぬマンションの入り口でハンバーガーを食べて時間をつぶしていたこともあるという著者は、ついに別々に住もうと夫に提案する。怒り出したり、反対されたりするかと思っていたらすんなり「じゃあ! 俺は房総に家買いたいな」と一言。このままだと離婚に向かってまっしぐら!?

 ささいなイライラが積もり積もれば、不満と重荷に押しつぶされそうになる日もやってくる。そして、そのイライラは話してしまえば、いずれも「そんなのたいしたこと ないじゃん! 」と笑われてしまうようなこと かもしれない。ただ、人によって感じ方はそれぞれ。「たいしたことないこと」が「離婚を考える要因」に変わってしまうこともある。果たして、おしどり夫婦と言われている2人はどういう結論を出すのか。

 「ほんとうは私の言葉や記憶や考え方ももうちょっと尊重してほしい」と著者は書いている。相手を尊重する。そのことだけを夫婦生活で忘れずにいれば、ささいなすれ違いは解決できるのではないか。頭ではわかっていても、なかなか思うようにはいかないのが現実。

 だが、本書は思わずクスっと笑ってしまうイラストが、夫婦間のリアルをほんわりと優しく包んでくれている。「うちはこういうことでケンカした!」とか、「私も同じようなことでイラッとしたことある!」など、親友との会話を楽しむかのように読んでほしい1冊だ。

文=大石百合奈

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