「質問をうまく使いこなせば、人を操ることができる」――仕事も人間関係もうまくいくキラークエスチョンとは!?

ビジネス

2016/11/10

『人を動かしてしまう すごい質問力』(櫻井弘/ワニブックス)

「話し上手」な人に出会うと、「すごいなー」「いいなぁ」と思う。初対面の人でも会話が続いて、場の雰囲気を一気に明るくさせて、その人がしゃべっている周りには、いつも人が集まってくる。「私もこうなれたら」と頭を過るけれど、結局「自分には無理」と諦めてしまう方、少なからずいるのではないだろうか。自分は口下手だから、あんな風に饒舌には話せない……。

 けれど、もし、「話し上手」に必要な能力が「饒舌なおしゃべり」ではないとしたら? 大切なのは、「会話」ではなく、「会話の始まり」つまり、「質問」だとしたら、口下手な人でも、「すごい」と思えるコミュニケーションができるのではないだろうか。

人を動かしてしまう すごい質問力』(櫻井弘/ワニブックス)は、今までに10万人を「会話の達人」に変えてきた「話し方のプロ」である著者が、職場、家庭、友人関係など、どんなシーンでも応用できる「基本的な質問術」を分かりやすく紹介してくれている一冊だ。

「人は質問されることによって考え方や行動に影響がでる生き物」であり、反対に言えば、「質問をうまく使いこなせば人を操ることができる」のだとか。効果的な質問をすれば、相手を思い通りに動かすこともでき、本音を引き出すことも可能。「YES」と言わせることも、相手に好感を持たせることもできるのだ。「質問力」さえあれば。

 さて、それでは、人生の武器ともなる「質問力」を少しだけご紹介しよう。

焦りは禁物、ワンクッション法

 職場で、重要な顧客へのプレゼンを終えて帰って来た部下。上司のあなたはプレゼンの結果がとても気になっている。そこで、「プレゼンどうだった?」と聞いてしまうのが「普通」。

 だが、もしこの時、部下にとって結果がいまいちだった場合、話すことをためらってしまうかもしれない。はたまた、「この上司は俺の努力より、結果しか気にしていないんだ」と幻滅されてしまうことも有り得る。

 そこで「プレゼン、緊張しなかったか?」と、「結果」よりもまずは「人」にフォーカスをした質問をするのがベスト。人はつい自分本位の質問ばかりしてしまうが、日常生活で良好な関係を築いていくためには「愛が伝わる質問」を重ねることが大切なのだ。そのため、「自分の関心事を一瞬、『コト(結果)』より『ヒト』(部下)に向ける」。それだけで、周囲の人間のあなたに対する「好感」は大きく違ってくるはず。

 他にも、「塾から帰って来た子どもに試験の結果を気持ちよく話してもらう」ワンクッションは「全国模試の結果はどうだった?」ではなく、「電車混んでなかった?」。社会人になった彼氏にボーナスの有無を気持ちよく話してもらうには「で、ボーナス出そうなの?」ではなく、「仕事には慣れた?」。自分が気になっている「結果」の前に、「相手への関心」をワンクッション挟む。それだけで、相手の反応も全く異なるものになるのだ。

主人公切り替えの術

 相手が饒舌に話し始めて、論点がどんどんズレてしまうこと、ないだろうか? 「この人、論理的に飛躍してない?」と思っても、それを中断させて「お答えいただきたい話とズレてますよ」なんて訂正は中々できない。

 そんな時は「第三者の立場」となり、話を幅広く展開させる「質問力」が求められる。この方法には4つのパターンがあるそうだ。

・「第三者の立場で『用語』の定義を聞く」
「不勉強で申し訳ありませんが、いま言われた『例証』とはどういう意味ですか?」

・「第三者の立場で『ロジック』の確認をする」
「いまのお話、読者にとって有益だと思うので、ホワイトボードでもう少し詳しくご説明いただけませんか?」

・「第三者の立場で『事例』を引きだす」(「たとえば?」「というと?」と具体例を引っ張りだす)。
「おっしゃる法則を用いた具体的な成功例はありませんか?」

・「第三者の立場で『ギャップ』を問いただす」
「社長の習慣はよく分かったのですが、なぜ一般のサラリーパーソンはそれを実践できないんでしょうね?」

 この他にも、「フィルター除去法」といって、相手の頭から「それは無理」「できない」という固執を取り払ってもらうため、「もしも」の質問をすることで価値観を変えさせる方法(「仮に一億円を自由に使っていいとしたら、どう使われますか?」)や、最短で心の距離を縮めるための「相手の関心ごとを見抜いて質問する」(「このスマホカバーかわいいね。なんのキャラ?」)など、様々な場面で応用できる質問術を紹介している。

「相手に嫌われず」「人を動かしたい」方、必見の一冊だ。

文=雨野裾