ペスト大流行の始まりは、中央アジアの小さな湖のほとりの町だった!? 何度も「へーっ!」と叫んでしまう、大人も子供も楽しめる“世界史のエンタメ本”

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/13

 2015年4月にイギリスDK社から発行されたのを皮切りに、1年余のうちに世界13カ国で翻訳され、発行部数が累計12万部以上に達した歴史エンタメ本『世界史MAPS―歴史を動かした72の大事件』。

 歴史上の有名な事件ごとに見開き地図上に再現した同書は、時間の経過とともに事件が地理的にどう伝播していったのかを俯瞰的に捉えられる、新しい視点で作られた一冊。今回はそんな同書の特徴を少しだけご紹介しよう。

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・人類の祖先がアフリカの一部で生まれ、ヨーロッパ、アジアを経由して南北アメリカ大陸へ広まっていった足跡が、要所の出土品とともに描かれ、文化の発達具合まで実感できる。

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・アレクサンドロス大王の東征は一直線に東へ向かったわけではなく、くねくねとしたルートを通っている。しかも大王は遠征の途中で結婚していた。

・世界各地で使われていた多種多様な文字を知ることのできる出土品は、精細な模写イラストで一覧可能。

・戦争の時代であった20世紀、世界勢力はどのように色分けされていたか、戦線がどのようにのび、どれほど恐ろしい戦いだったのか。

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 人類の誕生から宇宙への進出まで72の大事件を取り上げている同書だが、「カリブの海賊」や「奴隷貿易」「各国の月面探査」「ネット社会の広がり」など、一般的な歴史教科書では取り上げられることの少ない出来事も多く収録。

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 また、「中世ヨーロッパを席巻したペストの大流行の始まりは、中央アジアの小さな湖のほとりの町だった」とか、「ネットで初めて送信が試みられたメッセージは“LOGIN”だったが、“G”のところでシステムがクラッシュした」など、何度も「へーっ!」と叫んでしまうようなマニアックな情報も随所に散りばめられている。

 さらに精細なイラストで事物が絶妙に描き分けられているため、一見しただけでその出来事の全体像が把握できるだけでなく、ワンテーマひと見開きで完結のため、どこからでも楽しく読み始められるのも魅力。大人になってから「歴史を学び直したい」という人も多くいるが、歴史をエンターテインメント要素満載に表現した同書は、教科書に再トライするようなハードルの高さがないため、誰でも分かりやすく楽しみながら理解できる。歴史に詳しいあなたもそうでないあなたも、ページをめくって歴史の旅に出かけてみよう。

※掲載内容は変更になる場合があります。