世帯年収の10%が簡単に貯まる「ズボラ家計簿」とは? 大ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』作者最新作はママ向け!

マネー

更新日:2016/12/8


『回転ずしは「食費」ではなく、「娯楽費」である!』(山田真哉:作、黒澤R:まんが/白泉社)

 どうして我が家だけがこんなにもお金がないのだろう。隣の家族は毎年のように海外旅行に出掛けているというのに、ウチにはそんな余裕はない。毎月家計は火の車。どうしたらお金がためられるのか考えなくてはならないのに、日々の雑務に忙殺され、お金ばかりが消えていく。

 家計に悩まされるママたちがぜひとも読むべき本がある。『回転ずしは「食費」ではなく、「娯楽費」である!』(山田真哉:作、黒澤R:まんが/白泉社)は、専業主婦のまり子が、猫・ネッケルから家計の節約術を学ぶマネー術まんが。160万部超の大ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)の著作で知られる山田氏の最新作であり、家計に革命をおこす方法が惜しげもなく解説されている。上段にまんが、下段に文章という構成だから、時間がなくとも手軽に読める。その内容も「こんな簡単なことでお金がたまるのか…!」と思わされるようなちょっとした工夫ばかり。今日からすぐにでも試せそうだ!

家計簿は魔法のメモ!まずは、現状を知るべし!

 あなたの家では月にいくらの支出があるだろうか。現状を知るのは恐ろしいことだが、家計健全化の第一歩は、現状把握のために家計簿をつけることだ。だが、「家計簿なんて面倒くさい…」という人も多いに違いない。そこで、本書では、「残高家計簿」というズボラ家計簿をオススメしている。これは支出すべてを記録する一般的な「支出家計簿」ではなく、ひとつきに一度、手持ちのお金の残高を記入するだけのもの。あなたのお金が貯まらなかった大きな原因は、月の支出額を理解していなかったことにあるのではないか。レコーディング・ダイエット同様、まずは数字をつけるだけで浪費を戒める意識が自分の中に生まれるのだ。

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レシートを制するものは、家計を制する!

 ズボラ家計簿で、先月よりも残高が増えていれば問題ないが、残高が減っている場合は、その原因を追究しよう。その際に活用するのが、レシートなどの証拠品。金銭管理には必須の情報源だ。この時に重要となってくるのが、各予算の分離である。たとえば、ストーリーの中で、田中家は月に5回も回転寿司に行っていることが判明した。1回あたり使ってもせいぜい3千円~4千円。子どもだって外食を楽しみにしているから仕方がないと思ってしまうのも無理はない。だが、そうであるならば、回転寿司は「食費」ではなく「娯楽費」として考えよう。人は食費だと思うと、必要経費だと考えて、財布のヒモが緩くなってしまう。だが、娯楽費だと思うと急に慎重になる。「一回100円のガチャポンはケチるくせに一皿100円の寿司はむしろ安いと思って手に取ってはいないか?」。その他にも「通信費」「教育費」「車両費」などの区分にも、言い訳できるスキを与えてしまっている可能性が大。各費用の名前には特に決まりはないが、人は言葉によって行動を変えてしまう。言葉によってムダ遣いから目をそらさないように、なるべく自分の感情が入らないルールで厳しくチェックしよう。

 その他にも本書では、「保険は勝利を目指さない」「電力・ガス自由化は千載一遇のチャンス」「節操なきキャリア変更が勝利への道」「住宅ローンを減らさずに何を減らす」などと題して節約のための知恵を数多く紹介しているから、ぜひとも手にとってみてほしい。山田氏曰く、多くの人は年収の10%はムダな出費を行い、割高な料金で支払っているという。そんなムダをなくして、貯金ができる家計を目指そう。支出を変えれば、毎年家族で海外旅行に行くことだって決して夢ではないのだ。

文=アサトーミナミ