京極夏彦史上最長計1,900枚になった理由とは…?“京極版妖怪大戦争”『虚実妖怪百物語』発売記念イベントで語られた裏話

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/13

 京極夏彦によるシリーズ作品の最新刊『虚実妖怪百物語』序・破・急の発売記念イベントが11月6日(日)に東京古書会館で行われた。

 今回のイベント、お化け大学校特別講座「登場人物らしき人々が語らうウソマコト」では、著者の京極夏彦を始め、作家の黒史郎と平山夢明、ライターの村上健司、妖怪専門誌『怪』の初代編集長・郡司聡が出演。満席となる180人が参加した。

 同席で京極は、『虚実妖怪百物語』序・破・急の登場人物について「名前だけだと120人ぐらい作中に登場している」と語った。村上が「京極史上最多では? 今回は“京極史上最長”の作品ということだし」と問いかけると、京極は「もっと出したかったが、出せなかった人たちがたくさんいる。『怪』の連載は、『どこで終わってもいいです。そのかわり、やれと言うならいくらでも書きますよ』と伝えていた。そしたら、いつまでたっても編集担当から『終わっていい』と言われないので、こんなに長い作品になってしまった」と裏話を明かした。

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 虚構と現実が錯綜する、京極版“妖怪大戦争”といえる『虚実妖怪百物語』序・破・急。2017年1月31日(火)まで、『虚実妖怪百物語』の“序”、“破”、“急”の3冊を購入して応募券を送ると、京極の直筆サイン入り扇子が、全都道府県から各1人、合計47人に当たるキャンペーンも行っている。

 また、京極は物語に登場するキャラや妖怪を描いた、物凄いクオリティの直筆イラストをInstagramに投稿しており、特設サイトでは最新20体(人)を随時更新中。「妖怪&登場キャラ100人気投票」も11月27日(日)まで開催中なので、是非チェックしてみてはいかがだろうか。
⇒『虚実妖怪百物語』Instagram公式アカウント
⇒『虚実妖怪百物語』特設サイト

『虚実妖怪百物語』序・破・急あらすじ
シリアの砂漠に現れた軍服の男。手に嵌められた白手袋の甲には、五芒の星が染め付けられていた。男が立ち去ったあとには砂漠が大きくえぐられ、未発見だった遺跡があらわれたのだという。その日本兵は、かの魔人・加藤保憲に、よく似ているように見えた――。妖怪専門誌『怪』編集部のアルバイト・榎木津平太郎は編集長と水木プロダクションを訪れた。打ち合わせの途中、水木しげる氏は突如叫んだ。「妖怪や目に見えないモノが、ニッポンから消えている!」と。だがその言葉とは逆に、日本中に次々と妖怪が現れ始める。妖怪の出現により国内だけでなく日本周辺でも騒動が勃発。政府は妖怪を諸悪の根源と決めつけ駆逐に乗り出し、民衆は徐々に暴力的となり、ついには相互監視社会となってゆく。『怪』関係者は妖怪出現の原因究明を図るが――。虚構と現実が入り混じり、日本中が荒んだ空気に支配されていく中、物語は驚異の結末を迎える!

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