カマタミワ VS つづ井。前代未聞のラップバトルが開幕!? この思い、ライムを刻んだリリックで届ける!

アニメ・マンガ

2016/11/30

 いまだかつて見たことがないMCラップバトルがここに開幕する。ちなみにMCラップバトルとは、自分の思いをこめたリリック(歌詞)をビートに乗せてぶつけ合うヒップホップ文化のひとつだ。先攻は、ひとり暮らし歴19年目を迎え、その楽しみ方にますます磨きがかかったMCカマタミワ。先日出版された『ひとりぐらしも神レベル』ではヒップホッパーになろうとして挫折した過去を明かしている。

気づけばひとりぐらしも18年以上
腰痛冷え性 年々増える体の不調
将来のこと考えないわけじゃNAI
でも楽しすぎてやめられNAI!
もう誰かと暮らせる気がしNAI!

 前半部分はひとり暮らしならではの、ちょっとした切なさが感じられるが、後半はそれを振り切るほどの楽しさがひしひしと伝わってくる。3回続く「NAI」のライム(韻)は、昭和のアイドル・シブガキ隊へのリスペクトだろうか。

 一方、後攻は就職を機にひとり暮らしをはじめたというMCつづ井。『腐女子のつづ井さん 2』によると、推し(注:自分がとくに好きなキャラクターやカップリング)への思いをしたためたラップバトルを主催したという彼女だが、ひとり暮らしの大先輩であるMCカマタミワにどのようなアンサーを送るのか。

見せまSHOW 俺らの人生という名のSHOW
矮小で凡小 そんな俺でも自宅(ココ)では大将
愉快な仲間と仲良く爆笑 たまに微笑 苦笑
避けられない失笑

職場で隠す本性 自宅で溢れ出す熱情
「彼氏は?」「結婚は?」いらぬ干渉

周囲は迎えるいわゆる「適齢期」
俺はというと連日アニメイト行き
景気? 関係ねえ これがわしの生き方じゃき

友人からの警鐘「お前マジ後悔する一生」
Why? やりてえことやってるだけっSHOW
いつか手にする俺だけの金賞….

(☆)でもマジで 孫の顔は見せてやりてえ
でもマジで 孫の顔は見せてやりてえ
見せてやりてえ 見せてやりてえとは思っている

(☆)繰り返し

親に….

 自分の将来への不安は、絶賛ひとり暮らし真っ最中の女子なら誰もが一度は感じたことがあるもののようだ。MCつづ井も大先輩の言葉にかなり動揺している。とはいえMCつづ井には、BLという人生の支えがある。連日のアニメイト通いでひとり暮らしの不安など吹き飛ばしてしまいそうだ。

 カマタミワさんもつづ井さんも、自身の日常を描いたコミックエッセイが多くの読者の共感を集め人気となっているが、ふたりには自分の人生を前向きに楽しんでいるという共通点がある。さらに、その楽しみ方は周囲の評価を気にしたものではなく、自分の「好き」という気持ちをなにより大切にしたものだ。

 ところてん用の天突き器を使って、家中のさまざまな食材を押し出して最高にテンションが上がるカマタさん。

 推しを祀った神社を手作りしようとしたつづ井さん。(神の領域に触れてしまうのではないかという懸念から哲学的な問いに発展し結局断念)

 正直、世間一般からは理解されるどころか心配されてしまいそうだが、自分の「好き」を曲げることなく、ひたむきに自分なりの「楽しさ」を模索する姿に多くの人が心を打たれるのではないだろうか。

 ふたりがつづったラップにも表れているように、ふとしたときに訪れるひとり暮らしへのちょっとした不安には、自分だけの「好き!」や「楽しい!」を見つけることで打ち勝つことができるのだ。

文=近藤世菜