コーヒーごはん!? 今回も期待を裏切らない「平野レミ家」の奇想天外レシピが満載!【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/12/2

『平野レミのお勝手ごはん』(平野レミ/宝島社)

 もともとはシャンソン歌手でデビューし、イラストレーターの和田誠氏と結婚。その後はご存じの通り、ブロッコリーをそのまま立てた料理など、度肝を抜くアレンジレシピで話題の料理愛好家・平野レミさん。今年は長男が女優の上野樹里さんと結婚したことで、さらに注目を浴びる和田家ですが、そんな和田家の胃袋を支えてきたレミさんのレシピをまとめた『平野レミのお勝手ごはん』(平野レミ/宝島社)が発売されました。今回も奇想天外レシピ満載で、期待を裏切らない1冊になっています。どのレシピも和田家ではよく作られる定番料理らしく、きっと新しく仲間入りした上野さんも味わっているはず。また、レシピ以外にもレミさんのこれまでの歩みや、和田家の日常が垣間見れるエピソードも紹介されているので、レミさんファン必見のレシピ本です。そこで今回はこの中から、一見不安になるけれど実は美味しい3品を実際に作ってみました。

1、ねぎが苦手な夫も太鼓判の「ねぎグラタン」(P.19)


 バターを熱したフライパンで鶏肉を炒め、色が変わったら長ねぎを加えてしっかり炒めます。ここに小麦粉、牛乳を加えてとろみをつけたら、オイスターソース、塩で味付けし、グラタン皿に入れます。溶けるチーズを散らし、オーブントースターで焦げめがつくまで焼けば完成です。

 1品目は、ねぎが苦手な夫のために作ったグラタンレシピです。レミさんの夫・誠さんはねぎのすじっぽさが苦手だったそうなのですが、そのすじっぽさをなくすために、繊維を断ち切るようにかくし包丁を入れて焼くことで、ねぎがトロトロとなり、これなら美味しいと誠さんも太鼓判を押したレシピなんだとか。グラタンからまさかねぎが出てくるとは思いもよらないと思いますが、食べてみるとコクのあるホワイトソースと、焼くことで甘みが出たねぎとが意外にもバッチリ合って、体の中からポカポカ温まる一品でした。

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2、なぜこうなった!? でも実は美味しい「お目覚めコーヒーごはん」(P.23)


 ココナッツオイルを熱したフライパンに、しめじ、ハムを入れて炒め、さらに温かいごはんを加えて炒めたら、お湯で溶かしたコーヒーを混ぜ、塩で味を調えます。これをお皿に盛り、この上にハムエッグをのせれば完成です。

 2品目は、このレシピ本の中でももっとも奇抜な発想だと思えるレシピです。このレシピが生まれたきっかけは、朝眠そうにしていた息子たちを何とかしゃっきりさせたいという想いから「コーヒーごはん」の発想に繋がったそう。面白半分で実際作ってみたところ、作っている時はコーヒーの香りが広がるんですが、食べてみるとコーヒーの香りもほぼ薄れ、これが意外と普通の炒め物ご飯として食べられました。同じく食べた旦那曰く、「ドライカレーかと思って、普通に美味しかった」と。知らずに食べると、本当に全くコーヒーが使われているとは分からないようです。ちなみに、レミさん曰く、「時間のない朝も、コーヒーとごはんが同時に摂れちゃうお助けメニュー」なんだとか。

3、モチモチシャキシャキが楽しい「れんこん水餃子」(P.39)


 ボウルにすりおろしたれんこん、みじん切りにしたれんこん、豚ひき肉、しょうゆ、オイスターソース、砂糖、ごま油、すりおろしたしょうが、みじん切りにしたパクチーの芯を入れてよくこね、餃子の皮に包みます。これを沸騰したお湯に入れ、茹で上がったらざるに上げます。お皿に盛り、パクチーの葉をのせ、最後にラー油としょうゆをかければ完成です。

 3品目は、珍しい具材が入った水餃子レシピです。水餃子と言えば、中の具材はひき肉と共に白菜やしいたけ、ねぎなどがポピュラーですが、ここでは、食感を楽しめるれんこんと、独特な味が人気のパクチーが入りました。作っている時は全く想像ができなかったのですが、出来上がったものを食べてみるとモチモチっとしたタネの中で、時折シャキシャキっとした違った食感が楽しめ、また、パクチーの味が存在感を示していて、中華風なんだけれどどこかエスニックな雰囲気も感じられる一皿でした。

こんな姑なら一緒に料理作りも楽しいかも
いつも奇想天外な料理工程ばかりが目立っていますが、実は食べると美味しい、それがレミさんのレシピ。そんなレミさんの元で、次男のお嫁さんや、上野さんも一緒に料理を作る機会が多いんだとか。でも確かに、毎回驚くような料理が出てくるかもしれませんが、一緒にワイワイしながら嫁姑で料理を作れるのは、理想の関係かもしれません。

文=JUNKO