高卒のバイク便会社社長が「英語力ほぼゼロ」から、10か月後に英語を話せるようになった「捨てる」勉強法とは?

ビジネス

2016/12/4

『40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい。』(藤岡頼光/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 外国人観光客に道を聞かれても、愛想笑いをしてすぐに逃げてしまう人。海外旅行に行っても、わずかな英単語で会話が続かない人。どちらの場合も、さすがに40歳を超えてしまうと「いつか英語が話せたら」という気持ちがあっても、あきらめモードになりがちだ。そんな英会話の負け組たちの希望の光となるのが、『40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい。』(藤岡頼光/ディスカヴァー・トゥエンティワン)である。

 高卒でバイク便会社を経営し、バイク一色で約20年間英語とは無縁の生活を送っていた著者。たまたま見かけたイタリアのバイクに一目ぼれしたのがきっかけとなり、「このバイクを作った人たちと、なんとしてでもバイク談義がしたい」という思いだけで40歳を前に一念発起。ほぼ英語力ゼロの状態から語学留学と猛勉強をし、わずか10か月後にはビジネスの現場で外国人とコミュニケーションが取れるレベルにまで到達したという。まさに奇跡としか言いようがないが、その裏には40歳だからこそやることを絞り込み、これまでの常識を徹底的に捨てた独自の勉強スタイルがある。

 例えば、「英語は正確に話さなきゃ!」という思い込みを、捨てること。言葉は正確さを欠いていても意外と通じるものの例として、『この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか』という、不思議な文章が本書にはある。じっくり見ると、明らかに言葉はムチャクチャだが、何となくスラスラと読めてしまうのがわかる。このように、文章の正確さに神経質になるよりも、間違えてもいいからどんどん英語を使っていくこと。このほかにも「ネイティブの早い英語は、聞き取れなくてもいい」や「見栄を張って、かっこいい表現や知的な言い回し、シャレた一言を使うことなどは、最初から目指さない」など、「40代からの英語勉強法は、受験勉強とは違う」からこそ、さまざま思い込みや常識を捨てることの必要性が紹介されている。

 そして何よりも推奨しているのが、「ブロック式英語勉強法」という独自の勉強スタイルである。まず、丸暗記する1冊のテキストを準備。暗記したセンテンスがスラスラと出てくれば、1つのブロックが完成したと考える。これをセンテンス、文法、単語など、英語の基礎として必要なブロックを1つ1つ身につけることで、ブロックの数そのものを増やしていく。これにより、コップの中に入れた氷のブロックが満杯になるように、英語も実際に使えるレベルに到達するという。著者が実際に使用したテキスト名は、必見だ。

 40歳すぎてから英語を勉強し直すということは、明らかに無謀としか言いようがない。だが著者によると、それでも勉強を継続していると、周りが勝手にやめていくので、「こちらはただ踏ん張っただけで、同年代の、英語力の同レベルの人たちの中で、頭1つ分、2つ分、突き出ることができる」という。巻末には、日常的にビジネスの現場でよく使うセンテンスも収録されている。「たった53ですので、『英語脳』づくりの最初の一歩として、今日から1週間かけてこれらをしっかりインプットしてみてはいかがでしょうか」。

文=富田チヤコ