“エゴ”は人生の落とし穴。心の中に潜む「過剰な優越感」や「思い上がり」をどう対処する?

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公開日:2016/12/13

 若くして成功を成し遂げた著者が、“エゴ”を抑えるための方法を自身の衝撃的な実体験を交えながら書き記した『エゴを抑える技術』が、2016年12月10日(土)に発売された。

 同書の言うエゴとは、誰の心にも存在する自信や才能と呼べる範囲を越えた「過剰な優越感」や「思い上がり」のこと。エゴは、社会に飛び出して夢を追いかける頃には、教養や知識などを得ることを妨害し、成功にたどり着いた時には自分の欠点や今後の課題にフタをして見えなくしてしまう厄介なものである。しかし、エゴは誰の心の中にも存在していて、いつでもその出番を待っている。

 同書では、人生を「夢」「成功」「失敗」という3段階に分け、エゴが人生を左右してしまうという事例と教訓を紹介。例えば、ニクソン元大統領はアメリカの最高権力者としての地位にありながら、自分を抑制できずに失脚してしまった。また、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムマシーン“デロリアン”もエゴの餌食となって落ちていく運命をたどる。

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 その一方で、倒産寸前だった「ワシントンポスト紙」を救ったキャサリン・グラハムや、黒人初の大リーガーとなったジャッキー・ロビンソン、そしてドイツ首相であるアンゲラ・メルケルなど、自身のエゴを抑えることで、ひたすら大きな目標に邁進していく人物もいる。彼らがまったくエゴと無縁だったわけではない。彼らはむくむくと起き上がってくるエゴを抑え込み、もっと高い目標へ、違う感情へと昇華させる術を知っていたのだ。彼らは並外れた才能に恵まれていたのではなく、並外れた自制心・謙虚さを備えていたということだ。

 同書を読めば、彼らがエゴを抑えられた理由、エゴを排除する方法、自制心と謙虚さを習得するための方法など、仕事だけでなく人生を成功へと導くための足がかりをつかむことができるかもしれない。

ライアン・ホリデイ
メディア戦略家(ストラテジスト)。作家としても著名で、戦略やビジネスをテーマに執筆を行う。19歳で大学を中退し、ベストセラー作家ロバート・グリーンに師事する。修業時代を経て、人気作家や有名ミュージシャンのアドバイザーとして活躍。衣料品メーカー、アメリカン・アパレルのマーケティングディレクターも務めた。そのマーケティング手法はツイッター、ユーチューブ、グーグルなどでケーススタディとして採用され、アド・エイジ、ニューヨーク・タイムズ、ファスト・カンパニーなどのメディアでも紹介された。処女作『トラスト ミー アイム ライイング』はフィナンシャル・タイムズに「衝撃の問題作」と評され、デビュー作にしてベストセラーとなった。今では世界中の大学で教材に使われている。ホリデイは現在、ニューヨーク・オブザーバー紙の編集顧問であり、米国の人気ウェブサイトThought Catalogにも寄稿している。仕事場はテキサス州オースティンの自宅。同書は20カ国語に翻訳されている。

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