今度は双子が主人公!『LOVE SO LIFE』のその後も垣間見える、待望の続編が発売!

アニメ・マンガ

2016/12/20

 家族が……ほしいなぁ……。なんて、急に冷え込んできた寒い冬の夜、ふと願うことはないだろうか。恋愛のトキメキももちろんほしいけど、おうちで一緒にあたたかいごはんを食べられる存在がいてほしい。そんな人におすすめのマンガ『LOVE SO LIFE』(こうち楓/白泉社)は、失踪した兄にかわり双子を育てるアナウンサー・松永のもとへベビーシッターとして通う女子高生・詩春の物語。詩春と松永の恋もめでたく成就し、全17巻で完結したこの人気作の続編『LIFE SO HAPPY』が12月20日に発売された。

 前作では幼児だった二卵性双生児の姉弟・茜(♀)と葵(♂)。妻、つまり双子の母親が事故死して以来、ショックで失踪してしまった父親のかわりに、叔父にあたる松永に育てられていたのだが、無事に帰ってきた実父とともに静岡の祖父母のもとへ身を寄せることに。本作では小学5年生になった二人の日常を中心に、とくに中心の語り手を茜に据えて物語が展開していく。

 小学5年生。それも女子。となれば、思春期の入り口にちょうどさしかかったところだ。これまでは、好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、いいも悪いもすべてがはっきり区別されていた世界に、複雑さがもちこまれるのもこの年頃。授業参観で、若い母親たちにまざって目立つおばあちゃんが馬鹿にされて、怒りの矛先は大好きなおばあちゃんを笑ったクラスメートに向くはずなのに、なぜだかおばあちゃん本人に、ひどい言葉をぶつけてしまう。絵を描くのが好きなクラスメートを陰でひそひそ笑う女子たちにもやっとしたり、庇おうとしてうっかり彼女の大事なノートを破ってしまったり。これまで自分が信じてきた価値観が、別の価値観とぶつかることで宙に不安定に浮いてしまう。ごめんなさいもありがとうも、簡単な言葉だったはずなのに言えなくなる……。丁寧に描かれる茜の戸惑いは、大人になった私たちにも身に覚えのあるものだろう。もしかしたら過去のものなどではなく、会社や友達同士の輪の中で、今なお切実な悩みとして抱えてしまいがちなものかもしれない。

 それを救ってくれるのが、茜たちの成長をそばで見守ってくれるおばあちゃんであり、遠くから今なお気にかけてくれている詩春たちの存在だ。大丈夫だよ、と受け止めてくれる。そんな存在が身近に一人でもいれば、道に迷いながらもめざす先へ進んでいけるもの。恋愛や友情とはまたちがう、ほっこりとしたあたたかい幸せを本作は教えてくれるのだ。

 おそらく親や兄姉のようなまなざしで双子を見守り続けてきたであろう読者にとっては、その成長を眺めるだけでまた愛おしい気持ちになることだろう。実父とのいまだぎこちなさが残る距離感はもちろん、詩春に真剣な恋心を抱く葵にも注目だ。前作をはなれて、詩春と松永はかなり深く愛を育んでいる様子。2巻では、何やら“報告”をするために2人そろって二人に会いに来るとか……? 小さな恋のメロディならぬ、小さな恋の波乱に期待したい。

文=立花もも