2016年最も支持された絵本は、ヨシタケシンスケさんの『もう ぬげない』に決定! 「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」部門賞・大賞発表!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/12

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 月刊『MOE』が主催する“今年最も支持された新作絵本”のランキングを選考する「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」の大賞と部門賞が決定した。

 「MOE絵本屋さん大賞」とは、月刊『MOE』が全国の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者3,000人にアンケートを実施し、最も支持された絵本30冊を決定する年間絵本ランキング。今回から、絵本作家・島田ゆかさんが描きおろした“ぶーちゃんとおにいちゃん”がシンボルキャラクターになった。

「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」大賞

 今回、栄えある「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」の1位に輝いたのは、ヨシタケシンスケさんの『もう ぬげない』。ヨシタケさんから受賞コメントが寄せられている。

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結果的にこれは僕の作品では一番絵本らしい絵本になったというか、発想絵本シリーズがどうしても説明的になっちゃうところを、もっとすっきり読める、単純に笑える本にできたのがうれしかったです。ストーリーの組み立てにも紆余曲折あったのですが、最終的には、服が上も下もぬげなくなって、主人公に「もうおしまいだ」と言わせたかったんです。絵本や物語の主人公って、たいてい逆境にぶつかってそれを乗り越えて成長しますが、僕は途中であきらめさせたかった。実際、子どもってそうじゃないですか。すぐあきらめるし、自分の力ではどうにもならなくて、100%お母さんに助けてもらう。そんなふうに志が低い、意志が弱い子でも主人公になれる、それが1つのメッセージになるかと思ったんです。小さい子が読んで面白い部分と、大人が読んで共感できる部分、両方入れられたら商品としてお得だなと。僕自身もそういう本が好きなので、そこを理想の目標にしたいですね。『MOE』2017年2月号 受賞コメントより抜粋

ふくがぬげなくたって、なんとかなる!? 人生の悩みごとは、ヨシタケ流ユーモアでのりこえよう! ふくがひっかかってぬげなくなって、もうどれくらいたったのかしら。このままずっとぬげなかったらどうしよう。でも、なんとかなりそうな気もする…! さて、どうする?

「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」新人賞&パパママ賞

 「新人賞」は、すずきみほさんの『ぼくんちのシロ』が第1位を受賞。また、全国のパパママが選ぶ0~2歳向けファーストブックに贈られる「パパママ賞」は、えがしらみちこさんの『なきごえバス』が第1位を受賞した。

シロと一緒にお散歩に出かけた僕。にぎやかな商店街を通って公園に着いた時、シロがすごい力でリードを引っ張って…。固い友情で結ばれた一人と一匹が、ご近所を元気いっぱいに駆け抜ける。

はるちゃんとこぶたちゃんが作ったなきごえバスが発車しまーす。ご乗車の方は、ないてくださーい。にゃーにゃー、わんわん… たくさんの動物を載せてバスは走ります。最後に乗ってきたのはだあれ?

 「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」は、2016年12月29日(木)に発売される『MOE』2017年2月号に巻頭大特集で掲載される。子どもだけに限らず、大人も和ませてくれる絵本の数々をチェックしてみてはいかがだろうか。

※掲載内容は変更になる場合があります。