突然の婚約破棄が原因で外国人男性との恋愛に走ったけど、理想とは程遠かった…! コミックエッセイ『イケメン外国人たちとベッドで異文化交流した結果。』

コミックエッセイ

公開日:2016/12/25

『イケメン外国人たちとベッドで異文化交流した結果。』(ぶんか社)

 あなたも思ったことはないでしょうか。一度でいいから、外国人の男性と付き合ってみたい、グローバルな恋愛をしてみたいと……。筆者はあります。ご縁に恵まれることはありませんでしたが、英語で愛のコミュニケーションを取ってみたいと思った時期もありました。

 しかし、今思えば、ちょっと行動すれば、いくらでも外国人男性と付き合うチャンスはあったのです。それを実際にやってのけ、あらゆる外国人男性と愛の交流をしてきたのが、漫画家の音咲椿さん。日本の男に辟易し、次に付き合う恋人は絶対にドイツ人! と一点集中することにした彼女。いったいどうやって、数々の外国人男性と出会い、付き合うことができたのでしょうか? そのすべてを、コミックエッセイ『イケメン外国人たちとベッドで異文化交流した結果。』(ぶんか社)で明かしています。

 そもそも、著者の音咲椿さんが、日本人男性に希望を持てなくなったのは、ご自身の辛い体験がきっかけでした。事実婚していた日本人の婚約者から、ある日突然、一方的な婚約破棄を告げられます。調停に持ち込んだものの、今度は義母から追い打ちをかけられる始末……。長年信頼していた夫の不誠実な態度と、最後の最後に重度のマザコンであることが発覚し、身も心もボロボロに。

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 そこで、自立した欧米人に目をつけた音咲さんは、どうせならと、大好きなドイツの男性と付き合うことを目標に掲げます。外国人男性と付き合えば、いつでも愛を表現してくれるうえ、うまいこと結婚すれば相手の国の永住権が手に入り、さらにハーフの子供は可愛いに違いないなど、夢は膨らみます。……が、現実は想像以上に残酷でした。

 外国人と日本人のための出合い系サイトを使い、何人かの男性とやり取りを開始したはいいものの、自分の裸を送りつけるナルシストが大勢いることにドン引きします。ようやく会うところまでこぎつけたと思ったら、顔を見た瞬間タイプじゃないと判断され別れを切り出されることも。面と向かって「君はセカンドでいい?」とのたまう男もいて、思い描いていた理想の恋愛とは程遠い現実に愕然。

 そして、本書の一番の見どころである、外国人男性とのベッドシーンは、全体的にかなり笑えます。文化が違うせいか、大体の場面で音咲さんが大変なことになっています。顔面は超絶イケメンなのに服を脱ぐと、おっぱい“生えてる”・毛むくじゃら・お腹は超出てるという悲しい3連コンボだったり、ゲルマン民族の巨根に、内臓が飛び出そうになったり、挙句の果てには謎の薬を塗られたり(!)とここでも惨敗。音咲さんにとっては悲劇かもしれませんが、読者的には、「異国の男って、こんな感じなのか!」とかなり勉強になります。

「日本にいる外国人なんてろくでなしばっかり!!」とやけくそになりかけていた音咲さんの目の前に、なんと、超絶イケメンエリート男性が出現! しかも、ガタイもとってもいい! 果たして、音咲さんは、理想の外国人男性と巡りあうことができたのでしょうか?

 もし、あなたがグローバルな恋愛に夢を見ている状態なら、必ず読んでほしいです。きっと現実に立ち戻れるはず…。

文=中村未来(清談社)