新作『ローグ・ワン』に絶賛の声!『スター・ウォーズ』の世界が壮大なのにリアルな理由って?

映画

2016/12/23

 12月16日(金)、ついに「スター・ウォーズ」シリーズの新作『ローグ・ワン』が公開された。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の直前の時代を描いたアナザーストーリーになっている本作。秘密裏に製作が進みベールに包まれてきた『ローグ・ワン』だが、既に鑑賞したファンからは「最高だった!」「全作のなかで一番おもしろい!」など絶賛の声があがっている。

 そんな『ローグ・ワン』の製作総指揮をとるのが、長年シリーズに視覚効果(VFX)スーパーバイザーとして携わってきたジョン・ノールだ。『スター・ウォーズ 制作現場日誌 エピソード1~6 CREATING THE WORLDS OF STAR WARS 365 DAYS』(玄光社)は、ジョン・ノールにしか語ることのできない製作秘話や舞台裏が詰まった『スター・ウォーズ』エピソード1~6のドキュメンタリー写真集となっている。

スター・ウォーズの世界は、なぜリアリティがあるのか?

 この写真集では『スター・ウォーズ エピソード4』のルークのスピーダーがなぜ浮いてみえるのか、その仕掛けについての説明や、ミレニアムファルコンの設計図やデス・スターの監獄房など、ファンにはたまらない製作現場を写真でじっくり楽しむことができる。筆者の好きな場面に『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でのポッドレースのシーンがある。ぶつかったら粉砕は避けられない頑強な岩でできたアーチを、ものすごいスピードでポッドレーサーが駆け抜け、くぐりぬけていく……息をのむ迫力とリアルさを感じるシーンだ。このアーチの製作に関しては、こんな記述がある。

 まずミニチュアのアーチを8つほど、幅45センチメートル強のものを用意した。素材はフォーム材と漆喰で、色付けすれば本物にしか見えない。その後ILMの駐車場で、ポール・ヒューストンがモデルを様々なアングルと照明方向から注意深く撮影した。(中略)この画像をCGモデルに投影すると本物そっくりの、それでいて軽量のレンダリング用モデルが完成するのだ。ほとんどのモデルに実物の写真を使用したため、このシーン全体がとても自然に見える

 全編CGに頼ることなく、実写シーンとVFXを織り交ぜることで、スター・ウォーズは壮大でありながらリアリティのある世界を表現できているのだ。マジックの種明かしのように「そこまで言っちゃっていいの?」というクリエイティブなテクニックが本書にはたくさん詰まっている。繊細なトリックの積み重ねによって、私たちは心躍る体験をすることができるのだ。

1日1ページ、スター・ウォーズの世界を1年間ずっと楽しめる!

 スター・ウォーズファンにとって、その魅力を簡潔に語ることは難しい。エピソードそれぞれに違った味わい深さがあるからだ。しかし一貫してすばらしいと言えるのは、『スター・ウォーズ』という世界観の構築が完璧なところ。シリーズを通して「スター・ウォーズらしさ」が失われないのは、精巧で美麗なセットや小道具、考え抜かれたデジタルエフェクトの力が大きいと、本書を読むと、より実感する。

 製作現場が、まるで自分の目の前に存在するかのような迫力の360度パノラマショットは、ファンならば間違いなく胸が高ぶるものばかり。そのほかにも未公開写真やあえなくボツとなったシーンなど、往年のファンでも初耳レベルの情報もあるだろう。

 365日ぶんの日誌形式で綴られている本書。かなりのボリューム感で読みごたえがあり、1日1ページずつ読み進めていって1年間、スター・ウォーズの世界にじっくり浸るという楽しみかたもできる。2015年、そして2016年と立て続けに新作が公開されているが、2017年は世界最高のプロダクションノートを眺めて、ジョージ・ルーカスとそのチームが生み出す壮大かつリアルな世界観に引き込まれてはいかがだろうか。

文=藤野ゆり(清談社)