星野源の全てがここに! 俳優、アーティスト、文筆家… 彼の人生を辿る本4冊

エンタメ

2016/12/31

 2016年の旬の俳優といえば、やはり星野源さんを忘れてはいけないだろう。世の中に“ムズキュン”を届けたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」では、まじめすぎる男・平匡を演じ、不器用なその姿が世の女性たちを虜にした。また、ドラマ主題歌の「恋」も大ヒットを記録し、「NHK紅白歌合戦」にも2年連続の出場が決定した。大活躍中の星野さんは、文筆家としての顔も持っており、彼の本にもまた注目が集まっている。そんな星野さんの著書の中から、「Amazon文学・評論 売れ筋ランキング」(※2016年12月27日(火)によるもの)上位に入っている4作品を紹介しよう。

星野源の怒涛の2年間がここに! エッセイ最新刊『いのちの車窓から』

『いのちの車窓から』(星野源/KADOKAWA)

 星野さんが『ダ・ヴィンチ』2014年12月号より連載をスタートした、エッセイ『いのちの車窓から』に新たに書き下ろしを加え、単行本化。俳優・アーティスト・文筆家として、怒涛の駆け上がりを見せた2年間の想い、経験、成長のすべてがここにつめこまれている。

人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い同書より引用

 『いのちの車窓から』とは、普段かけている度の強い眼鏡のレンズ越しに周囲を見ている自分を、なんとなく「窓の内側」にいると感じていることをきっかけに表現したもの。同書では、その「窓」から星野さんが見てきた「自分の外側」にあるものの面白さを丁寧に描写し、また「自分の内側」に発生したことを、本音と哲学で綴っている。

 こっそり別人としてツイッターをやっていた秘話や、「自分が人見知りである」と自ら言うことをやめたそのきっかけも告白。さらに、ある人の言葉に想いを馳せ、山手通りを泣きながら歩いた日のことも丁寧に綴っていく。そして、大ヒットシングル「SUN」「恋」に込めた想いや製作過程、念願だった「紅白」出場。「逃げるは恥だが役に立つ」撮影現場で得た“気づき”の数々など、約2年間にわたって星野さんが綴ったエピソードが満載。星野さんの紡ぐ言葉の数々は、胸の奥にすっと、温かく染み込んでいくはずだ。

 2017年3月発売ということで読者の手元に届くまでまだ時間があるが、「待ちきれなくて早くも予約してしまった!」「連載もめっちゃ好きだから楽しみ過ぎる!」「予約完了~!! 早く届かんかな~!」と早くも待ちきれない人が続出している。

星野源の文筆家としての原点『そして生活はつづく』

 2013年に発売された星野さんの初のエッセイ集『そして生活は続く』。どんな有名俳優にもロックスターにも、地道な日常生活がある。何人たりとも、食器洗いから、トイレ掃除から、ごはん炊きから逃れることはできない。苦手な「生活」を面白がろうと試みた星野さんの、くだらないのに涙こぼれる、21世紀の爆笑エッセイになっている。

 携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。全てが華やかな人生である訳ではない。素晴らしくないしつまらない日常もあるが、そんな日常を面白くしようと試行錯誤する星野さんの姿に元気をもらえるはずだ。

 読者からも「日常あるある満載で親近感湧いたわ(笑)」「この本読むと、不思議と元気になってくるし、どうしようもない自分も好きになれる」と絶賛の声が上がっている。巻末に俳優・きたろうとの文庫版特別対談“く… そして生活はつづく”も収録されており、こちらも見逃せない。

くだらなさと緊張感とエロと哲学!? 星野源の全てがつまった『蘇える変態』

 同書は、雑誌『GINZA』で2011年4月から始まった連載「銀座鉄道の夜」をまとめたエッセイ。新たに書き下ろされたエッセイも掲載されている。また、2012年は、星野さんにとって躍進の年だった。資生堂アネッサCMソング「夢の外へ」、「知らない」と立て続けにヒット。アルバムもオリコンチャートを賑わせ、主演舞台に主演映画と、人気もうなぎのぼりに。「面白いものが作りたい」と、音楽・俳優・文筆とむさぼるように仕事をしてきた星野さん。“ものづくり地獄”の音楽制作、俳優業の舞台裏など星野さんの怒涛の3年間が描かれた本作には、くだらなさと緊張感とエロと哲学が垣根なしで一挙に詰め込まれている。

 タイトルからも分かるように、「これ読んで出た第一声は『おうう…』でした(笑) 私には刺激が強かったww」「娘も読みたがっていたので読ませたが、女子中学生に読ませて大丈夫かなこれ(笑)」という声があり、星野さんの変態性がかなり前面に出ているよう。しかし一方で「自然と笑えて、涙してた…」「面白かった、涙も止まらなかった」と、逆境を乗り越えた変態・星野さんのパワーに元気をもらう人も多いようだ。

「働く」とはいったい何だろう? 星野源が「働く」ことの意義を綴る『働く男』

 働きすぎのあなたへ。働かなさすぎのあなたへ。同書は、さまざまな肩書を持つ星野さんが、過剰に働いていた時期の自らの仕事を解説した一冊。書いて、歌って、演じて…。働き続けてきた彼だからこそ見えるものがあるのだろう。映画連載エッセイ、自作曲解説、手書きコード付き歌詞、出演作の裏側ほか「ものづくり=仕事」への想いをぶちまける。

 また、「働く」ことについて現在(同書発売の2015年)の気持ちをつづった書き下ろしのまえがきも収録。さらに、ベストセラー『火花』で芥川賞作家となったピース・又吉直樹との「働く男」同士の対談も特別収録されており、華やかな世界にいる彼らがどんな気持ちで働いているのかにも注目だ。

 くだらなさも真剣度も120%全部盛りした同書。読者からも「彼の魅力が何なのだろうか、と考えてきたけど、やっとその理由が分かった気がする」「読めば読むほど面白くなって、源さんが好きになる」「働くってそういうことだよな。としみじみ思いながら飽きずに読んでしまった」と言う声が上がっており、高評価を得ているようだ。

 独自の世界観で、じわじわと見ている人を魅了していく星野さん。本の中でも、一切飾ることなくありのままの自分をさらけ出しており、テレビで見ているだけでは分からない彼の一面もきっと見いてくることだろう。まだまだ星野源さんの人気は留まることを知らなそうだ。