増加する実家の空き家化。放置するとどうなる? 正しい片づけ方って?

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公開日:2017/2/2

 1,500件以上の遺品整理の実績がある“家の片付けの専門家”が、実例をもとにリアルな実家の片づけの秘訣を解説する『図解 親ともめずにできる これがリアルな実家の片づけです。』が2017年1月25日(水)に発売された。

 総務省の発表によると、2013年の時点で全住宅の13.5%が空き家になっているという。また、大手シンクタンクによると、2023年には空き家率が21%に達すると予想されているほど。一般的に、空き家を生む原因は“少子高齢化”や“核家族化”にあるとされているが、実際にはもっと様々な事情があるのだ。

 まず、親の遺品が膨大過ぎて遺族が処分の判断をしかねるケースがある。親の思い出が詰まっているモノは、心情的なこともあり捨てられないことが多い。だが、モノが処分できなければ、実家は必然的に空き家となってしまう。また、親が健在であっても空き家となることもある。親の入院や老人ホームへの入居、東日本大震災後に急増した子どもとの同居など。これらのケースのように、「いつでも戻れるように」と実家を空き家にするケースが増えている。

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 そんな空き家には、“景観の悪化”、“建物の倒壊”、“盗難”、“ゴミの不法投棄”、“不審火”など、いろいろな問題点がある。これらの問題は、地域の治安状況にも影響を及ぼし、近隣住人の不安や迷惑のもとになってしまう。増え続ける空き家問題に歯止めをかけるべく、2015年には地方自治体が空き家の所有者に対し、修繕や撤去を命令できる法律が施行されている。また、勧告を受けた段階で“固定資産税”などの住宅用地特例から除外され、課税率が上がってしまう。つまり、所有者の一方的な都合だけで空き家を放置できない状況になってきているということだ。

 これらの“空き家問題”を防ぐためには、親が元気なうちにしておくべき事がある。まず、普段から実家のモノにまつわる親の気持ちや希望を話題にして、親の価値基準を理解しておくこと。同様に、土地や建物の将来の扱い、お葬式やお墓などの意向、財産の種類や保管場所、人間関係なども話を聞いておくと後々の親族の負担をずいぶん減らすことができる。デリケートな話題には「自分はこうしているのだけれど」と、自分から親に相談するスタイルがうまくいく。そして、親が実家住まいのうちは無理にモノを処分する必要はなく、親から子への引き継ぎに徹するだけで充分だそうだ。

 次に大事な点は、空き家の片づけは通常の片づけとは次元がまったく違うと認識しておくこと。親族が引き取ることができる遺品の量は限られている。つまり、空き家の片づけとは「1軒分のモノを99%処分する」こと。これは未経験の人にとってイメージすることさえ困難なことだ。まずは「残せるのはたった1%」を意識して、残すべきものをハッキリとさせることが肝心となる。

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 実際の片づけ作業は、遺品整理業者に任せるという方法がある。遺品整理はやり直しのきかない繊細な作業。業者は料金体系だけで選ばずに、豊富な実績があり要望や疑問に明確に応えてくれるところがオススメだ。

 「まさか実家が数年でジャングルのようになるなんて思ってもみなかった」。このセリフは、空き家を6年間放置していた相談者が漏らした一言。「近隣の方から苦情が寄せられている」との勧告が市役所から入り、所有者が重い腰を上げるケースも目立ってきている現在だが、事前の準備もなく実家の片づけに取り掛かかることは、想像以上に大変な作業になる。

 性急に事を進めてしまい、結果的にひどく後悔しているという例も多数ある“実家の片づけ”は、親御さんが健在なうちに、まずは親とのコミュニケーションからはじめてみることが大切。同書は、実家の片づけ実践術、遺品整理で失敗しない知恵など、“家の片付けの専門家”だからこそのノウハウが満載だ。

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内藤久(ないとう・ひさし)
さいたま市で遺品整理業を営む「遺品整理の埼玉中央」代表。1960年生まれ。京王プラザホテル、シェラトングランデトーキョーベイホテルを経て現職。今までの作業累計は約1650件。著書に『もしものときに迷わない遺品整理の話』『親が死んだとき後悔する人、しない人の実家の片づけ』がある。

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