東京・新宿に忍者の村が!? 江戸城勤めのサラリーマンが残した驚愕の文書とは

社会

2017/2/15


 時は江戸時代。東京都新宿区、四谷のあたりに、忍者の末裔とされる「伊賀者(いがもの)」の村があった。作り話ではなく、実際の歴史記録である。

 戦国時代には戦闘に参加していた忍者たちも、天下泰平の江戸時代にはお役御免。城に忍び込んだり、武術を駆使して戦ったりする必要がなくなっていったからだ。それでは、この忍者の村の者たちはいったい何をしていたのか?
実は彼らは徳川幕府に召し抱えられ、江戸城でサラリーマン勤めをしていたのだった。そんな一家の残した古文書を解読したのが『忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち』(高尾善希/KADOKAWA)だ。

 驚くほど詳細な記録が残されている。例えば伊賀者の就職活動はどんなものだったか? どんな仕事をしてどのくらいの給料をもらったか? 家督相続や出産など生活の様子はどうだったか? 生まれた子供へ託した思いとは。

 読者として気になるのは、よく時代劇などに出てくるように、昼は役所勤め、夜は黒装束を着て隠密御用という忍者らしい仕事はあったのか? ということだろう。これについても言及する。古文書を読んでいくと、どうも「御庭御用」という謎の仕事を仰せつかっている。他の業務の内容についてはかなり詳しい記録があるのに、この「御庭御用」については仕事の内容がまったく記されていない。それなのに、「骨折り(ご苦労)であった」といって、褒美まで受け取っている。あやしい。

 古文書というと、どうしても難しくて役所に提出する書類のようなものを思い浮かべてしまうが、この文書は日記のようなもの。今まで明かされることのなかった江戸の生活が、この古文書の発見と読み解きによって生き生きとたちのぼってくる。ぜひ、本書を片手に忍者の末裔として生きた江戸の人々に思いをはせてみてはいかがだろうか。