酒グセが悪くなかっタラ……、あのとき別れなけレバ……巷にあふれるリアル「タラレバ」エピソード集

恋愛・結婚

2017/2/15


  1月18日(水)からドラマの放送が始まり、話題となっているのが『東京タラレバ娘』。同ドラマの原作(講談社刊)は、2020年に開催が予定されているオリンピックに沸く東京で、33歳独身の女性たちが女の幸せを求めながら「~~だったら」「~~してれば」と、女子会と称して飲んだくれる日々を描き、漫画雑誌『Kiss』連載開始当時から話題が絶えない作品です。

 作者の東村アキコ先生は、第1巻巻末で、自身の友人たちが東京オリンピックの開催を受けて「いいかげん結婚したい…」「もう一人暮らしに飽きました」と、口々に嘆きだしたことを明かし「東京開催決定にショックを受けていた私の周りのアラサーアラフォーの女友達をネタにそのまんまひどいマンガを描いてやろうと思っただけです!!!」と、大胆に語っています。同世代の生の声を作品に反映していることもあり、アラサー女性をピンポイントで刺しまくる描写が満載……。そこで、アラサー独身ど真ん中の筆者が周囲に聞き取り調査をしたところ、街はタラレバエピソードであふれていました。

 

33歳/医療 Aさんのタラレバ

 「 イケメン好きが高じて、大学生時代に俳優の三浦春馬似のイケメンと付き合ったことがあるんです。ルックスはどストライクで六大学に通ってたので、スペックに関しては申し分ありませんでした。性格も愛されて育ってきたからか、曲がったところもなかったんですけど、ナルシストレベルが高すぎたんです……。そのへんにあるショーウィンドウやら車のバックミラーはいつだって“俺の鏡”。当時はデジカメだったんですけど、2人で撮った写真も納得がいくまで撮り直し……。とにかく自分の外見が好きなんだなあって感じだったので、チヤホヤするのに疲れてしまい、半年でフリました。

 でも、この前Facebookの『知り合いかも』の項目に、彼の名前と自撮りアイコンが表示されて、つい開いちゃったんですよ。そしたら、相変わらずイケメンなうえに大手メーカー勤務。オマケに既婚。本人の現在がすべてわかってしまったんです。片や私は33歳で独身彼氏ナシ……。今思えば、あれくらいのナルシストはかわいいものだし、何より子供も可愛いだろうなって考えたら、ずっと付き合ってればって思っちゃいますよね。まあ、長く付き合っても私がフラれる可能性が高いですけど(笑)」

10年以上前は許せなかったことも、今となってはどうでもいいこだわりだったなって思うことありますよね……。

 

30歳/広告 Bさんのタラレバ

 「 昨年、半同棲していた彼氏と別れました。私よりも彼のほうが結婚願望が強かったので、少しずつ私も結婚に前向きになってきた頃、彼の北海道への転勤が決まったんです。当然、私はついていく覚悟だったのですが、持ち家があるから、と私に東京に残ってほしいというので『新婚なのに別々に暮らすの?』と、疑問がわいてきて話し合いの末別れることになりました。

 彼がバツイチで子供もいたこともあって周囲から反対されていたので、縁がなかったんだなと思い、忘れかけてた矢先に、彼から結婚報告のLINEが来たんです……。しかも、何の因果かその相手の出身地と年齢が私と同じという、謎のオチがついてました。周りの意見を気にせず一歩を踏み出してたら、あの人と結婚してたのかな」

しなかったことへの後悔こそ、まさにタラレバ。一歩踏み出す勇気ってどこかに売ってないですかね?

 

29歳/事務 Cさんの場合

 「 シンガー・ソングライターの斉藤和義さんが大好きなんです。かわいさとギターを弾く姿のかっこよさ、声、下ネタ発言もすべて私のツボにハマってしまい、正直ほかの男の人がまったく目に入りません。もしも斉藤さんがあと5人くらいいたら、そのうちの一人と死にもの狂いで結婚したいくらい好きなのですが、斉藤和義はこの世にたった一人……。

 そんなことを考えながら、ライブに行っては惚れなおし、ライブに行っては惚れなおし続けていたら10年が経っていました。その間、斉藤和義だけを見ていたため、当然彼氏もいません。気がつけば、いつも斉藤和義好きの女友達と、せっちゃん(斉藤和義氏の愛称)の魅力をつまみに酒を飲んでばかり……。もはや彼氏の作り方も忘れてしまいました。斉藤和義ファンになったことは一切後悔してないんですけど、もっと広い視野を持っていれば、今とは違う状況だったのかな、なんて思ってしまいます」

理想の人が身近にいるとは限らない、そんな切なさを感じます。

 

33歳/会社員 Dさんのタラレバ

 「つい最近、彼氏にフラれました。彼も同じ歳だったので、結婚も考えてくれてたみたいなんですけど、どうしても私の酒癖の悪さが耐えられなかったみたいで……。外食してるときも酒を飲みすぎて延々と彼氏にダメ出しをして、深夜を回るとトイレに籠城。自宅でもひとり酒で深酒してしまうので、デートに遅刻したうえに二日酔いで具合が悪いなんてことは日常茶飯事。失態は数えればキリがありませんよ……。彼に酒癖が理由で付き合ってられない、といわれたときは『酒さえなければ……』って、酒に対して不毛な逆恨みをしましたよ。それでも、今日も酒を飲んでるから救いようがないんですけどね(笑)」

タラレバと親和性の高い“お酒”そのものがタラレバになるケースもあるんですね……。

 

 今回、みなさんに哀愁ただようタラレバエピソードをご披露いただきましたが「タラレバ言ってても仕方ないので、生きるしかないんですけどね(笑)」と、達観している部分も。なかには『東京タラレバ娘』という作品は、自分が置かれている状況を見直すきっかけになった、という意見もありました。そういえば、単行本だけでなくスマホでも購入し、自戒の念を込めて読めるようにしている、という筆者の友人もいます。

 いまや乙女の……もとい、アラサーのバイブルと化した『東京タラレバ娘』。同作を読んで、心臓がキュッとなりながら飲む酒もおいしいかもしれません。

文=不動明子(清談社)