ネガティブ日記帳、午前9時に青線…1000人以上の手帳やノートを研究してわかった”スゴイ使い方”とは?

生活

公開日:2017/2/20

 スケジュール、タスク管理、メモに至るまで、すべてクラウドでやるのがフツー。そんなデジタル派の人たちとは逆に、究極のアナログツールの素晴らしさについてがわかるのが『まずは、書いてみる [時間][使い方][やりたいこと]がどんどん湧き出すメモの習慣』(藍玉/KADOKAWA)だ。

 著者は、手帳ライフ研究家。ツイッターで広がった「手帳ゆる友」という友達の輪を通じて、手帳の使い方やアイデアについて情報交換をしている。本書では、1000人以上の手帳やノートを研究してわかった”スゴイ使い方”の中でも、特にイチオシのアイデアが紹介されている。

 例えば「時間管理の手帳術」の章にある「手帳に記入する時にはスケジュールのはじまりと終わりを意識する」では、会議や打ち合わせが入ったら、はじまりの時間だけではなく終わりの時間までしっかり記入する使い方が紹介されている。何気ないことのようにも思えるが、常に終わりを意識するようになることで、会議の中だるみも防ぐことができるようになる。

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朝9時に青い線、深夜0時に赤い線

 また「朝活がもっともはかどる午前9時のブルーライン」では、自分が大切に時間帯に線を引くことで、その時間を別扱いにできることを紹介。朝活を継続したい人なら、ブルーラインより前の時間帯に「ストレッチがんばった。えらい!」「朝そうじしてスッキリ」など、自分をほめるコメントを書いてもいいだろう。たった1本の線だが、自分のモチベーションを変えられるほどの威力があるとは、意外な発見だ。

 仕事以外で、手帳に記入することなんかない……という人は、記録用として手帳を使うのも楽しい。「手作りの旅行ノートで旅が4倍楽しくなる」では、入国審査に必要な英会話を書いたり、現地の写真やショップカードを貼る使い方が紹介されている。旅行の行動記録を手書きで残すことで、時間が経ってもその時の記憶を鮮明に残すことができる。

機内の様子も詳細に記録します

ショップカードや写真を貼り旅行の記憶をノートに閉じ込めます

 この他にも、10分間で5個捨てたものを記録する「お片付けノート」や、毎日着る服に迷わない「コーディネートノート」、さらには落ち込んだ時に勇気をくれる「サクセスダイアリー」や「ネガティブ日記帳」の書き方まで、さまざまな手帳の使い方が紹介されている。

春夏、秋冬にわけて、トップス、ボトムス、靴、バックなどのアイテムごとに書き出します。色や点数も書いておくと便利

「ネガティブ日記帳」は見開きで使用します。左にネガティブな感情、右に問題解決の糸口を書きます

 著者にとって、書くことは呼吸をすることと同じように自然なことであり「とりあえず、書いてみる」は、自分を変えるおまじないだという。たとえ、小さな思いつきであっても、書き留める体験こそが記憶に残る。そしてペンを握り、日々の生活の中で感じたささやかなことを書き留めることで、手帳はいつしか自分の心を映し出す鏡のような存在になる。書くことで自分の心と向き合う時間は、確かにスマホに依存するデジタル派の人にはできない貴重な時間であろう。

これまで手書きのスタイルに挫折をしていた人も、これだけ実例が紹介されていれば、どこかに自分にあった使い方を見つけられるはずだ。春から生活スタイルが変わる人は、手帳を変える絶好のタイミングであろう。思わず手帳を手に取り、「ちょっとメモしていいですか?」と言いたくなる一冊だ。

文=富田チヤコ