薬が可愛いキャラクターに!? 楽しみながら薬の知識が身につく!RPG仕立ての絵本風くすり図鑑!

出産・子育て

2017/2/28


『王子様のくすり図鑑』(木村美紀:著、松浦聖:イラスト/じほう)

 病気になった時、病院に行くにせよ行かないにせよ、薬のお世話になるのが一般的。しかし風邪をひいたから「風邪薬」、胃が痛いから「胃薬」と、薬が身体にどう作用しているのかまでは認知していない人も多いはず。

 だが、病院によって出される薬が違うこともあるし、市販薬だってたくさんの種類がある。もし自分にある程度の知識があれば、医者に相談したり、自分で薬を選んだりすることもできる。とはいえ、専門家でない限り、難しい言葉で説明されても頭に入ってこないし、眠くなるだけだ。そこでオススメしたいのが、『王子様のくすり図鑑』(木村美紀:著、松浦聖:イラスト/じほう)。2016年1月に出版された『王様のくすり図鑑』(木村美紀:著、Hama-House:イラスト/じほう)の第二弾として発売された本作品は、イラストがより漫画的で可愛いものになり、親しみやすくなっている。

 内容は、薬の勉強を始めるとすぐに居眠りをしてしまう王子様を、薬の先生が特別授業として「子どもくすり界」に連れ出し、旅をしながら病気と薬について学んでいくというストーリー仕立て。紹介されている薬の種類は「子どものくすりたち」となっているが、大人に共通しているものも多い。例えば、「かぜの章」に出てくる、風邪薬の類。筆者も以前風邪をひいて病院に行った時、「“風邪”という病気はない」と言われた。つまり、一言で風邪薬といっても、症状によって必要な薬が変わってくる。

『王子様のくすり図鑑』(木村美紀:著、松浦聖:イラスト/じほう)P74.2017年1月発行

▲解熱鎮痛剤の「カロナール」。

「脳の視床下部にある体温調節中枢(体温調節の司令塔)に働きかけ、熱を体外に多く逃がすことで体温を下げます。また頭痛などのとき、痛みを感じにくくするよう脳にはたらきかけます。インフルエンザの高熱や痛みによる辛さをやわらげるのにも使います。」

 熱や痛みが「軽くなる」からカロナールと名付けられたそう。「やさしい効き目が特徴」と、癒しを得意としそうなキャラクターがぴったりの薬。

『王子様のくすり図鑑』(木村美紀:著、松浦聖:イラスト/じほう)P74.2017年1月発行

▲抗炎症薬の「ブルフェン」

「炎症が起きている場所では、シクロオキシゲナーゼという酵素によって、炎症や痛みを引き起こす物質が作られています。このくすりは、シクロオキシゲナーゼのはたらきを阻害することで、炎症や痛みを抑えます。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の1つです。」

 炎症の原因物質を抑えてくれるガードマン的存在。防御力の高そうな彼は、RPGのパーティにも一体は欲しいタイプだ。

 この2つの他にも、風邪薬だけであと12種類も紹介されている。また、他にも様々なステージ(章)があり、「胃と腸の章」では、なじみ深い「ビオフェルミン」が可愛い妖精姿になっていたりもする。

『王子様のくすり図鑑』(木村美紀:著、松浦聖:イラスト/じほう)P106.2017年1月発行

▲乳酸菌整腸薬の「ビオフェルミン」

「ビフィズス菌などの乳酸菌を補って便通を調える整腸薬です。生きた乳酸菌が腸まで届くと腸内で増え、悪玉の腸内細菌をやっつけて追い出します。腸内環境のバランスを正常に戻して、おなかの調子を良くし、腹部膨満感、おなかのハリを改善します。」

 おなかを癒す妖精の彼女は、大人しそうなキャラクター。スッと腸内を浄化してくれるのだろうか? 「私に任せてください」と分身し、敵をやっつける姿をぜひ見たい。

 さらに、ウイルスや菌サイドもモンスターとして登場する。ちなみに、「インフルエンザウイルス」と「インフルエンザ菌」は、名前は似ているがまったく違うものだそう。「インフルエンザ菌」は、インフルエンザの原因ではなく、耳を襲う病原菌なのだとか。

 RPGを思わせるデザインは、むしろこのままゲーム化してください、と言いたくなる、ゲーム好きの心をくすぐる雰囲気を醸し出している。「インフルエンザウイルス が とびだしてきた」「いけ! タミフル!」とか、そんなゲームがやってみたい。ただ、ウイルスや菌は、何となくだが仲間にはしたくない。

文=月乃雫