介護経験者が明かす「あの当時、本当に知りたかったこと」後悔しないための介護ハンドブック

社会

2017/3/5

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    『ある日、突然始まる 後悔しないための介護ハンドブック』(阿久津美栄子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 多くの介護経験者が実感した「あの当時、本当に知りたかったこと」にスポットを当て、介護の始まりから終わりまで、様々な状況に応じた知識や情報をまとめた『ある日、突然始まる 後悔しないための介護ハンドブック』が2017年2月28日(火)に発売された。

 介護は膨大な時間が必要になり、それ相応の費用もかかる。「いったいいつまで続くのか?」「これから自分の生活はどうなるのか?」という不安を、介護者の誰もが抱えているもの。しかしいつまで続くかわからない介護にも、悲しい別れの時という形で、いつかは終わりがやってくる。

 介護が始まるきっかけは人によって違うものの、その後の介護の流れには共通する段階がある。はじめは要介護者の異変が発覚する「混乱期」、次の段階は要介護者の症状に合わせた対応に追われる「負担期」、さらに要介護者の症状が進行し、ほぼ寝たきりとなる「安定期」を経た後は、別れの時である「看取り期」を迎えることに。

 それぞれの段階で、介護者は疲労や絶望感が増大したり、割り切った「受容」の境地になってきたりと心境が変化していく。まずは介護の道のりを把握し、いま自分がどのあたりにいるのか知ることができれば、「いまやるべきこと」「これから先の時間をいかに過ごしていくのか」などを客観的に判断できるようになる。

 また、介護が始まると、その悩みを他人になかなか理解してもらえず、時間的な余裕も少なくなるため社会から孤立しがち。そのため介護者にとっては、他の介護経験者と話す機会を作ったりと、自分の居場所を作ることがとても重要になる。まずは自分の周辺で介護経験者を探してみること。そして地域によっては「介護者サロン」という情報交換の場があるので、そこを利用してみることもおすすめだ。

 そして介護に追われて行き当たりばったりの状態になったら、自分が置かれている状況を具体的に書き出してみるのが効果的。混乱の渦中にいると、わかりきったことさえ見失っている場合が多いからだ。例えば自分が勤務する会社の就労形態や利用できる制度、自分の周りで介護協力できる人、相談にのってくれる人などを書き出してみよう。介護者は介護に関わっている人(プレイヤー)が自分だけだと考えがち。しかし状況を書き出すことによって、意外と多数のプレイヤーが存在することに気づけるかもしれない。

 同書はその他にも、申請・お金・相談・保険・施設・サービス・医療・相続・看取り・記録のつけ方といった介護の様々な局面に対応。「まさか、こんなことになるなんて」という人から「いつか、この日がやってくる」と思っていた人まで、必携のガイドブックとなっている。

阿久津美栄子(あくつ・みえこ)

1967年長野県生まれ。NPO法人UPTREE代表。子育てと同時に両親の遠距離介護生活を経験する。その経験から、介護者の“居場所”を作るための活動を始める。NPO法人介護者サポートネットワークセンターアラジン理事。アラジンで、全国初の常設での介護者の居場所事業として「ケアラーズカフェ」を立ち上げる。現在、UPTREEにて「認知症カフェ」「1Dayケアラーズカフェ」運営。2016年に自身の介護経験と現役の介護経験者のニーズから、日本初の介護者視点での手帳として「介護者手帳」を制作。また、2017年には、介護者手帳の第2弾として「小児版・ケアラーズノート」を制作。地域密着型の介護支援に取り組んでいる。

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