【結婚・離婚の幸福論】本当に円満な夫婦生活とは?“逃げ恥”的な契約結婚にいまだモヤモヤする妻たちへ

恋愛・結婚

公開日:2017/3/3


大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」は、最終回を迎えてしばらくたちますが、いまだに多くの人たちの心に強い印象が残っているストーリーではないでしょうか。じつは、「逃げ恥」は、夫婦問題を扱う私の仕事仲間たちの間でも大きな話題になっていました。

というのも、主人公の女性みくりさんは、「彼女いない歴=年齢」の独身男性の平匡さんと契約結婚をするのですが、その契約内容をめぐってさまざまな意見が飛び交っていました。とくに多くの女性たちの間で物議をかもしていたのが、みくりさんのお給料のことでした。

みくりさんの“契約妻”としての労働条件などは次のとおり。

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月~金曜日×1日7時間労働(フレックス制)
基本のお休みは土日、代休も事情によってはアリ
生活費は“契約夫”と折半(お給料は現金で手渡し)

さらに、お給料は毎月19万4000円、そのうち生活費として10万2500円は“契約夫”に渡すので、“契約妻”として自由に使えるお金は9万1500円ということになります。この「9万1500円」をめぐって女性たちがさまざまな感想を持ったのでした。

「子どもがまだ夜泣きをする年なので、平日は毎日24時間労働といっていいほど家事と育児に追われている。でも専業主婦だからか、自分が自由に使えるお金なんてほぼゼロ。9万円ももらえるなんて、正直、うらやましい……」(28歳・専業主婦) 「1日7時間労働といっても、実際は独身男性の家での家事なんて、そんなに作業量も多くないはずだし、楽勝で終わるはず。いいとこ実働2~3時間とすれば、毎月9万円ももらえるのはおいしいのでは? 『時給で雇っているから』と、就業時間はフルに働かされている身としては理想的」(33歳・パート勤務)……という、“毎月9万円をおいしいと思う派”も少なくありません。

一方、「ウチは子どもが3人いるせいかもしれないけれど、家事と育児を全般的に私がやって、休日も結局なんだかんだ休めるわけではないと思うと、毎月9万円しかもらえないのはツラい」(38歳・専業主婦) 「結婚後も独身時代と変わらず、会社員としてフルタイムで働いている私は、同じ週休2日だけれど手取り20万円もらえる。私が負担する家賃と生活費を合わせても10万円にはならないので、毎月、手元に10万円は確実に残る。そう考えると、籍を入れることで保障を得られる“結婚”という形を選んだほうが得なのではないかと思う」(40歳・会社員)……という、“毎月9万円は割に合わないと思う派”もいます。

ドラマの途中では、夫から妻に時間給から月額固定給にすることやほかの仕事を辞めてほしいことなどを提案されます。それにより、サービス残業になる可能性や副業禁止がルール化するので「ブラック企業か?」と妻の側が心配するシーンがありました。その場面に関しても、一般の女性たちは賛否両論。「ほとんどの専業主婦はブラック企業に勤めているようなもの」という皮肉をこめた意見もたくさん聞こえてきました。そうやって、ドラマを通して冷静に自分たち夫婦のあり方を見たときに、「結婚って、なんだろう?」とあらためて考えるきっかけになった夫婦も多かったはず。

もしも、ネガティブな気持ちになったときでも、夫婦が円満に生活を続けられるコツとして悩める妻たちにアドバイスしているのは、「『そうは言っても、やっぱり夫のことが好き』という気持ちを自分のなかで再確認してみましょう」といことです。お金や労働の条件はさておき、まずは自分の気持ちが夫に向かっていることを自覚しないと、愛情を持って夫婦生活を続けることがむずかしいからです。「子煩悩なところが好き」「食べ物の好き嫌いがないところが好き」というように、人物そのものに関することでなくても構いません。とにかく「好き」なところを見つけて、自分の気持ちを再確認するようにします。それが、離婚の危機に陥らず、自分のサイズの幸せを実感しながら夫婦生活を円満に続けていかれる秘訣です。

文=citrus 岡野 あつこ