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ディズニーが実践していた、アイデアを現実化させる「3つの部屋」とは?

『アイデア大全 創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール』(読書猿/フォレスト出版)

 世の中には多くの「発想本」があふれている。

全て揃えようとしたら、お金がいくらあっても足りないだろう。

 しかも、次から次へと世に出るアイデア本も、方法論は意外と「先人の知恵」を参考にし、自身の経験を交えて現代風にアレンジした「自己流カスタマイズ本」だったりする。

 本書は、そうではない。『アイデア大全 創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール』(読書猿/フォレスト出版)は、今までに類をみない発想本の良書だ。

 が知る限り、本書ほど古今東西、時代を問わず、「アイデアの出し方」をまとめた書籍はないように思う。

本書は、〈新しい考え〉を生み出す方法を集めた道具箱であり、発想法と呼ばれるテクニックが人の知的営為の中でどんな位置を占めるかを示した案内書である。

『アイデア大全』は、ただ先人たちのアイデアを紹介しているだけではなく、「人文書」的な一面を持っている。本書における人文書とはつまり、「現にどうあるか/どうやればいいかに留まらず、本来はどうあるべきかまで描き出そうとする書物」のことだ。

よって本書は、

「発想法」(アイデアを生む方法)のノウハウだけではなく、その底にある心理プロセスや、方法が生まれてきた歴史あるいは思想的背景にまで踏み込んでいる

とのこと。

では実際、どのように「アイデア」が載っているのかをご紹介しよう

◯ディズニーが実践していた「ディズニーの3つの部屋」とは?

概要:夢想家ミッキー・実務家ドレイク・批評家ドナルドダックで夢想を成功に結びつける。
開発者:ウォルト・ディズニー/ロバート・ディルツ
参考文献:『天才達のNLP戦略』『ディズニーアニメーション 生命を吹き込む魔法』『人生ゲーム入門』

用途と用例:
(1)発想と具体化と評価の作業を切り分ける。
(2)自己批判を封じ込め、発想の枠を取り外す。

まず、紙を1枚用意して、縦線を2本引き、3ブロックに分ける。

3ブロックに分けた左欄の上に「夢想家」、真ん中の上に「実務家」、右欄には「批評家」と書き、それぞれの立場から意見を書いていく。

「夢想家」は「なんでもあり」の発想で「何をすべきか」を考える。

「実務家」は「夢が実現可能であるために」「どのようにすべきか」を考える。

「批評家」は「夢想家」と「実務家」が自問自答して出てきたアイデアを、批評する。(どんな失敗をしそうか、この計画の弱点、どれだけ儲かるのかなど)

 ディズニーの仕事場では、この3者思考のために会議室を分けていたそうだ。「夢想家の間」ではひたすら「空想」し、現実性がなくてもアイデアを出し続ける。「実務家の間」では、夢想を具体化し、現実化することに全力を尽くす。「批評家の間」は「あら探し」をし、欠点や企画成功の可能性を徹底的に洗い出すのだ。

 以上が「ディズニーの3つの部屋」の概要である。

 他にも「手軽に大量のアイデアが得られる発想の速射砲」の「エクスカーション」や、「常識と日常を叩き割る最凶の問い掛け」なる「P.K.ィックの質問」。さらに「夢見」や「源内の呪術的コピーライティング」といった異色の発想法も紹介されている。

 この一冊を読み込めば、一生アイデア本を買いたいと思うこともなくなるだろう。それほどの情報量であり、読み物としても面白く、実用的な本書。末永く、本棚に置いてもらいたい。

文=雨野裾



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