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毎日やっても月収1500円!? 東大生が1日50円で自分を売る理由とは?

『現役東大生が1日を50円で売ってみたら』(高野りょーすけ/KADOKAWA)

 日本の未来を担うエリートが集う、日本の大学の最高峰「東京大学」。ここに通う学生たちは、未来への明確なビジョンを持ち、勉学に勤しんでいる…とは限らないようだ。

『現役東大生が1日を50円で売ってみたら』(高野りょーすけ/KADOKAWA)の著者・高野りょーすけ氏は東大の赤門をくぐると、未来を見失ってしまったという。毎日昼過ぎに起床。コンビニに行き、弁当を買い、自室に戻ってそれを食べる。そしておもむろにPCを起動し、気づけば夜。眠りにつき、また昼過ぎに起きる…という生活を繰り返していた。“東大生”という肩書がなければただのニートだ。

 それまで、著者の取り柄は「勉強」だった。学校のテストで好成績をおさめること、受験勉強を頑張り東大に合格すること、それが彼の存在意義。しかし、受験戦争を勝ち抜いた彼に待っていたのは「勉強」という武器を失った、何も持たない裸の自分だったという。そして、「自分にしかないもの」「自分らしさ」を見つけるために、東大生である自分を1日50円で売るビジネスを始めることにした。

 この考えと行動力は十分武器になるのではないか。自分が大学生のときに同じことができるか。いや、できないだろう。だが、本人がそう思わないのであればしょうがない。自分が納得できる「自分らしさ」を探すことが目的なのだから。

 ネットで募集をかけると様々な人から「購入」依頼が来たという。ポーカー世界王者とポーカー・卓球・将棋で勝負したり、ニューハーフとお台場でデートをしたり、自殺未遂経験者と話をするために長野を訪れたり、あるサラリーマンの汚部屋を掃除したり、本書を読む限り、場所を選ばず、色々な人のもとに飛び込んでいる。

 彼はクセの強い“購入者”との出会いを通して、これまでの視野の狭さを感じたようだ。「キャバクラ嬢は借金や家庭環境から仕方がなく勤めている」と考えていたが、実際に話をしていると、仕事そのものを楽しんでいる人もいることを知った。ニューハーフの方とのデートでは、「アイドル市場が約600億円、風俗市場が約2兆円、LGBT(ゲイ・レズビアン・バイセクシャルなど法律や社会的に割り振られた性別と異なる性別で生きる人々)市場は5兆円」という事実に驚く。さらに「LGBTの数は13人に1人。左利きやAB型と同じくらい」というデータも明らかに。これについては、読者である私もテレビや雑誌の遠い世界ではないんだなとびっくりした。そして、そんな貴重な話を聞いたり、体験できたりする著者がちょっぴり羨ましくも感じる。

 最後に、著者は「自分にしかない特徴」「ここなら勝てるという自分の場所」を見つけられたのかと自問する。答えはNO。むしろ探せば探すほど見つからないという。そんな記述を見ると学生時代の自分を思い出す。「自分にしかできないことがある」だの「他の人と俺は違う」だのと、今思えば恥ずかしい限りだ。だからこそ、昔の自分の葛藤を見ているようで、彼を応援したくなるのだ。最後に一言…

 第2弾、期待してますよ! 高野さん!!

文=冴島友貴



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