小雪、映画でダメ亭主を支える

公開日:2012/1/19

 「私の胃袋はかなり、り香さん仕込みです(笑)」
 そう語るのは、ほっこりとした幸せを連れてくる映画『ALWAYS 三丁目の夕日’64』(2012年1月21日より全国東宝系ロードショー)で小説家・茶川竜之介の妻、ヒロミを演じる小雪さん。

 彼女のお気に入りの一冊は、CMの撮影で一緒になって「波長の合う方だなぁ」という第一印象を持った人気料理家・行正り香さんの初エッセイ『やさしさグルグル』(文化出版局)だ。

 「お家に遊びに行ったり、料理やキッチンの整頓法などを教えてもらったりと、仲良くしていただいていて。この本は彼女の生き方、考え方の集大成。物事をシンプルにとらえ、自分が幸せだなって思うことをうまく言葉にできる、り香さんが、そのまんま出ている一冊です。やさしくて、あったかくて、お風呂場や枕元など、自分がひとりになれる空間にいつも置いておきたい」
 
 暮らし、映画・本、仕事、家族……と、語られていることは本当に身近なこと。
 2人の子どもの母として、キャリアウーマンとして、目まぐるしくも楽しい日常の中から、ふと取り出された気付きや感動は、いつもの道で四葉のクローバーを見つけたようなサプライズとともに、あったかな気持ちを連れてくる。
「可能性は自分で広げていけるし、家庭を持ち、出産することによって、それはなくなるんじゃなくて、どんどん広がっていくということ、子どもを通して人生で大切なことをシンプルに学んでいくという姿勢が伝わってくる、生き方上手になれる本。どんな年代の人が読んでも共感を得られ、幸せな気持ちにしてくれると思います」
 
 『ALWAYS 三丁目の夕日’64』で、小雪さん演じるヒロミは、夫の竜之介と、高校生になった淳之介、そしてお腹に宿った命とともに新たな家族を築いている。
「ダメ亭主なのでね(笑)、ヒロミが頑張って家族を支えています。今回は、これまでの彼女にはない“見守る”という立ち位置。自分をどう見せるかということより、相手の見せ場をよりよくするための芝居に徹しました」
 つくり手の自分たちでさえ、ストーリーを知っているのに感動したり、共演者の芝居を見て涙したり。そんな不思議なマジックがあるというこのシリーズ。

 そして今回もやっぱりその魔法に掛かってしまったという。
「シンプルな時代の生き方が心に響くんでしょうね。ご近所とも距離が近くて、相談できる人がいつも目の前にいる。人は助け合わないと生きられないし、自分以外の誰かに目を向けて生きるというのは、励みにもなっていくことがわかりますよね」

(ダ・ヴィンチ2月号 あの人と本の話より)