朴槿恵大統領のスキャンダルに暗示された「儒教の呪い」とは? そして「日中戦争はすでに始まっている」の意味とは?

政治

2017/3/23

『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇(講談社+α新書)』(講談社)

 3月10日、韓国の憲法裁判所は、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対して、罷免(ひめん)を宣告。韓国史上初の女性大統領は、同じく史上初の罷免での失職を余儀なくされた。

 これにより、朴槿恵大統領も先例にならう形となった。というのも、朴槿恵は11人目の大統領だが、韓国の歴代大統領といえば、例外なく不幸な末路を迎えることで知られているのだ。クーデターによる亡命や暗殺もあるが、その多くは、大統領に委譲される権限を悪用した不正な蓄財などである。

 こうした問題の根本原因を、「儒教の呪いのなせる業」だと指摘するのが、『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇(講談社+α新書)』(講談社)の著者、ケント・ギルバート氏だ。

 著者は本書の中で、韓国歴代大統領の末路と韓国の未来をこう暗示する。

私は、強権的な大統領制度の問題ではなく、韓国の国民性を育んだ儒教や事大主義に立ち返って問題の本質を捉えない限り、韓国は今後も同じ過ちを繰り返すと確信しています。いまのままでは、近い将来に自滅するしか選択肢はないでしょう。

 また、今回の朴槿恵大統領のスキャンダルに対して、特に強い怒りを表明したのは30代以下の若者世代であり、支持率が0%になったことが日本のマスコミでも報道された。そのことを著者は「不正を共謀した崔順実(チェ・スンシル)の娘の不正入学への嫉妬心のあらわれ」として、こう指摘する。

学歴社会の韓国では、日本では想像もつかないほど受験戦争が熾烈です。その洗礼を受けた若者の嫉妬心が、この支持率0%に表れているとしか思えません。
(朴槿恵大統領をめぐるスキャンダルには)特権階級があらゆる利権を握る構図と、それに激しく嫉妬する民衆という歪んだ社会構造が、そこには垣間見られます。それもこれも、儒教の呪いがなせる業です。

 著者がいう「儒教の呪い」を端的に説明すると、儒教の中でもっとも重要な「道徳」や「倫理」が欠落し、「自己中心主義的な教え」のみが精神に根付いた状態を意味する。

 著者のケント・ギルバート氏は弁護士・タレントであり、近年では、『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP研究所)などの著書により、日本人の意識開花を啓蒙する言論活動を盛んに行っている。本書もまさに、お人よし過ぎる日本人への警告の書、と言える内容だ。

 本書ではまず、なぜ中国や韓国が反日であり続けるのかを、中国と韓国の政治家も含めた国民すべてに浸透した思想的な背景である、「儒教と中華思想」をキーワードにして論述し、同時に、「儒教と中華思想」がいかに中・韓両国を貶めているかを国際政治の具体事例もあげながら論証する。そして後半では、日本人が持っている精神性の独自性についての言及が展開されている。

 著者が日本人について語る際、本書にもたびたび登場するのが「WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の悪影響」という言葉だ。WGIPはGHQによる日本人洗脳工作のことで、「日本は戦争で悪いことばかりをした」と意識下に刷り込むための様々な策略だ。その結果、不条理な中国や韓国からの戦争責任の言及に対して弱腰になったり、「利他的な思考」「私より公を重んじる」といった日本人本来の精神的な良さが失われたりしつつあると、著者は警告している。

 特に著者の論述に深刻さが増すのが最終章「儒教の陰謀は現在進行中!」だ。本章で著者は「日中戦争はすでに始まっている」と警告する。本書が開示する中国側の資料によれば、1972年の日中国交正常化を機に、様々に工作員を送り込むことで日本を政治的・思想的に操作し、最終的に侵略していく計画だという。著者は、すでに新聞やテレビなどのマスコミにも、中国や韓国、北朝鮮などに迎合する偏向報道が見られると警告している。

 本書は決して、中国人や韓国人の精神的な未熟さのみを言及するものではない。むしろ、そうした隣人たちに対して、胸を張れない日本人の末路を憂う書とも言える。岐路に立たされているのは決して、中国人や韓国人だけではないのだ。

文=未来遥