新生活は第一印象がキモ! 「3つのステップ」で“会話の天才”になる方法、まずは◯◯!

ビジネス

公開日:2017/3/29

『会話の天才』(野地秩嘉/ワニブックス)

 クレイジーケンバンドの『タイガー&ドラゴン』という曲に、「俺の話を聞け! 2分だけでもいい」という歌詞があるが、人はだれしも自分の話を聞いてもらいたい。会話を成功させるためには、いかに相手に気持ちよく話してもらうかが肝となる。『会話の天才』(野地秩嘉/ワニブックス)によると、会話は「笑う、ほめる、相づちをうつ(共感する)」。この3ステップだけで上手くいくのだという。

 著者がこの3ステップに気づいたのは、キャバクラを取材したときのこと。テーブルについたナンバーワンの女性は、とくに美人でもなく、胸が大きいわけでもない、ふつうの子だった。ところが彼女は、優しい笑顔で「お客さんのネクタイいいですね」とほめる。「そうかな?」と言うと、「そうですよ!」と相づちをうつ。たったこれだけのことで、著者はその女性に好感を持ってしまったという。

 まずは、「笑う」。…と言うと、「ムリして笑いたくない(もしくは笑えない)」と思うかもしれないが、ムリしてゲラゲラ笑う必要はない。微笑むだけで十分だ。それも苦手という人は、意識的に口角を上げるようにするだけでもいいと思う。大事なのは、相手に「私はあなたの敵ではありません」と意思表示をすることだと著者は言う。

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 次に、「ほめる」。背が高い、ハンサム、美人、といったほめ言葉は、使う相手を限定してしまう。背が高すぎることがコンプレックスの人もいるし、美人でも「中身を見てほしい」という人もいるだろう。ほめ言葉としてはどれも危険である。ポイントは、「だれに対しても使えるほめ言葉を使う」こと。「品の良いシャツを着ていますね」など、一見、当たり障りのない言葉が万人ウケする。

 最後に、「相づちをうつ(共感する)」。これは、相手の意見になんでも従うとか、同調することではない。やたらと相づちをうったり、こびたりするのとも違う。相手の話を聞くなかで「いい話だな」「この人のここがいいな」と、心から思ったときにだけ相づちをうつことが大切だ。

 私が日頃、取材を通して難しさを感じているのは、相づちだ。相づちが少ないと、相手は「こいつ、分かってるのか?」と不安になり、それ以上、話を引き出せない。かと言って相づちが多すぎると、「この話を続けていいんだ」と思わせてしまい、本筋から離れた話に時間を割くことになる。相づちとは、会話のGOサイン。「もっと聞きたい」と思ったタイミングで、「うんうん、それで?」と相づちをうつことで、楽しく、かつ効率の良い会話ができるのだと思う。

 笑う、ほめる、相づちをうつ(共感する)。この3ステップを意識するだけで、相手に好感を持ってもらえるのは間違いない。本書にはその先の、「共感のツボを捉える」「面白い話をするには?」など、ワンランク上のテクニックも盛りだくさんだ。すべて身につければ、コミュ障で悩む人も“会話の天才”になることも不可能ではないはずだ。

文=尾崎ムギ子