「泣きゲー」好きな男はBLにハマる!?「男のためのボーイズラブ」読者座談会

マンガ

公開日:2017/3/30

 BL=ボーイズ・ラブ。いまやマンガ界を支える一大ジャンルにして、傑作・名作の宝庫だが、未経験者、特に男性にとっては謎も多い世界。そこで、「男性でもBLを楽しめるのか?」をテーマにBLを心から愛する4人の男女にお集まりいただき、お話を伺った。そこで浮かび上がった、十人十色の楽しみ方と、ジャンルの魅力の奥深さ。読めば、最初の一歩を踏み出すきっかけが見つかるかも!?


BLを愛する参加者の皆さん
ミートミックさん:40代女性で、元BLレーベル誌の編集長。近所の米店になぜかあった『小説JUNE』で開眼し、BL歴33年。究極の愛を描いた作品に惹かれる。

桜井さん:20代男性。BL歴4年。元恋人にすすめられてBLを読み始め、今では積極的に楽しんでいる。綺麗な絵柄の作品が好み。

B太郎さん:20代男性、ゲイ。BL歴15年。天真爛漫な攻めと人生めんどくさいタイプの性格の受けが萌えで、草間さかえ作品をこよなく愛する。

ぺろこんさん:30代女性で既婚者。BL歴17年。ネガティヴで根暗な受けを攻めが救う作品がタイプ。三角関係のライバル同士なども萌え。

ミートミック BL好きで集まる機会があまりないので、今日はドキドキしています。私はBL歴33年なんですが、昔はみんな隠れていたしSNSがなかったから、同好の士と知り合う機会がなかったんですよ。今でも一人で黙々と読んでますね。

ぺろこん 好みに合ったBLを探すときはどうしているんですか?

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ミートミック アマゾンやBL情報サイトのランキングを見て、1位〜20位の作品をガーッと買っています。

ぺろこん ローラー作戦だ! 私はやはり周囲の友人とBLをオススメしあうことが多いです。各自が好きなBLを3冊ずつプレゼンする「ビブリオバトル」をやったこともあります。

ミートミック いいな〜! そっちのほうがランキングではすくいきれていない名作を見つけやすいですよね。

ミートミックさん

ぺろこん 友人と好みが微妙に違うと、かゆいところに手が届かないんですけどね(笑)。男性のお二人は、そもそも何をきっかけにBLを手に取ったんですか?

桜井 僕は以前付き合っていた彼女が腐女子で、その子からすすめられるうちにハマりました。男同士だからと敬遠するのはもったいないくらい、おもしろい作品が多いですよね。新刊を探すときはツイッターで趣味が合う人の感想を参考にしています。

B太郎 僕は中学時代に、クラスの女子が回し読みしていた同人誌を読んだのがきっかけです。自分はゲイなので「男同士」というところには最初から抵抗はなく、だんだん商業BLも読むようになりました。今は、周囲でもセクシュアリティに関係なくBLを読む知り合いが多いので、映画や小説をすすめるのと同じ感覚で、「このBL良かったよ!」と教え合ってます。

B太郎さん

ぺろこん 腐女子の友達は多いんですけど、男性の方と話すのは新鮮ですね。正直、私は「えっちなものを読みたい」という欲求もあってBLを読んでいるので、「BLが好きなんです」と表立っては言いづらいんですよね。「BLを読んでいる女=エロい女」というレッテルを貼られるのも怖い。

ミートミック そういう女性は多そうですよね。「腐女子」という言葉自体、マッチョな世間からの嘲笑があって、そこから隠れないといけない意識から生まれた自虐ですよね。その苦い記憶があるから、これまではこっちから「おいでよ!」と積極的に言えないところがあったんだけど、扉をノックしてもらえれば、一緒に楽しみたい人もいるはず。

——男性陣は、BLの「エロ」部分についてはどう思っていますか?

B太郎 僕の場合、エロ目的で読む作家さんとそうじゃない作家さんがいますね。必要のないラブシーンをわざわざ描いてほしいとは思わないので、ヤッちゃったことを匂わせるだけでもいいときすらある。

桜井 わかる。「ただヤッてるだけ」ならいらないですよね。ぼくは、激しい濡れ場もバッチコイですが、行為があって、その手前に行為にいたるまでの心の過程がきちんと描いてあるのが一番好きです。

ぺろこん そう! そっちが大事ですよね!(首をがしがしと振る)

ぺろこんさん