AIの未来を描く傑作ミステリーに、反響の声続々!!!

文芸・カルチャー

2017/3/31

 人工知能(AI)の最前線を舞台に、一人の天才青年のスケールの大きな成長を描いた近未来SF大作『エクサスケールの少女』(徳間書店)。

 綿密な取材を重ねて世界を作り上げたという本作は、既刊に社会小説『コレキヨの恋文』などがある作家・さかき漣さんの新境地ともいえる。

「読書メーター」の読みたい本ランキング1位、紀伊國屋書店新宿本店をはじめ各書店でも1位を獲得した本作は、昨年末に発売されて以来、今なお注目を集めている。ここで、『エクサスケールの少女』に寄せられた反響コメントを紹介しよう。

「シンギュラリティはもうそこにある。圧倒的な取材力で日本の近未来を描いた作品」
神戸大学名誉教授 松田卓也氏

「AIと人間の尊厳など、先人たちが踏み込まない領域に敢えて切り込んだ意欲作!」
日本デジタルゲーム学会理事 三宅陽一郎氏

「これは人工知能の最前線に、万葉集や出雲の神話など古の要素を織り込んだ珠玉のAIエンターテインメントだ」
経済学者 井上智洋氏

「シンギュラリティの専門ネタ満載。ウェアラブル機器を駆使し、マニアックでありながら人間の本質に迫る1冊!」
神戸大学大学院教授 塚木昌彦氏

 

「途方もなく膨大な数」…怒涛の展開の後、読者の心に光が差し込む

 善と悪、未来と過去、幸と不幸、物質と精神、そして利己と利他。さまざまな二元性を散りばめ描かれた、AI(人工知能)が導く未来予想図である本書を読み解くのは、ある種のカオス体験だ。主人公の天才科学者を取り巻く様々な登場人物たちは、その恋人でさえも、誰が味方か敵かわからない。そして未来コンピューティング、鉱石、万葉集や出雲神話のほか、知識の洪水とともに読者に押し寄せるのは、今後日本で起こることが想定されている大地震の数々と富士山の大噴火である。タイトルの“エクサスケール”とは、「途方もなく膨大な数」の比喩だと筆者は理解している。そんな本作を映画にたとえるなら、近未来SFミステリー、影の勢力サスペンス、ディザスター・パニック、サイキック・ホラー、そして恋愛・群像劇が一体化した、まさにエクサスケールの情報量の小説だ。怒涛の展開の後に読者の心にどんな希望の光が差し込むのか、ぜひ、それを楽しみにしてほしい。

文=町田 光
 

文系でも理系でも知的好奇心をそそるエモーショナル近未来SF

 人工知能が人間の能力を凌駕した時、人間に必要とされるのは、自らの心の内にあるものを発掘する作業だろう。未来を追うためには、過去を渉猟し、自らの価値を問い続けなければならない。この小説は、ある青年の心の葛藤を巧みに描きながら、21世紀中に訪れる“シンギュラリティ”の先を追おうとする。不老不死の病におかされた妹を救おうとスパコン研究者になった青磁。彼は、謎の美女・千歳との恋愛や研究仲間との関係に悩まされ続ける。万葉集の和歌や古事記・日本書紀の神話、はたまた人種問題、政治問題が、スパコンやAIの世界と見事に織り交ぜられたストーリー展開は必見。文系だろうが、理系だろうが、SF好きだろうが、そうでなかろうが、自分の興味がある記述につい惹かれ、そうかと思えば、初めて知る知識に好奇心がくすぐられ、青磁とともに心が揺れ動く。彼が加速させる“シンギュラリティ”が導くのは、ユートピアか、ディストピアか…? 想像だにしなかった少し先の世界を垣間みることができるエモーショナルSF大作は一読の価値あり!

文=アサトーミナミ
 

最新のAI世界が織り成す、美しい背景がそこにある!

 理系音痴の私は、この本を読むまで、「エクサスケール」や「シンギュラリティ」という言葉すら知らなかった。AIもsiriでちょっと遊ぶくらい。おそるおそる読みはじめたが、すぐ引き込まれ、この小説は、親に捨てられ、たったひとりの妹以外には心を閉ざす青磁という青年の一生を描いた、成長の物語だと知った。その後ろに、著者自身の深い知識から紡がれる文化芸術、神話、歴史、鉱石、宇宙、人種にまつわる豊潤なエピソードと、綿密な取材により構築された最新のAI世界が織り成す美しい背景があるのだ。初めて妹以外で心を寄せた理想の恋人・千歳は謎めいた美女。周囲が一目も二目も置く天才研究者なのに、28歳の「初恋」に翻弄されて、千歳の前ですぐしどろもどろになってしまう青磁の姿はとても微笑ましくて、ふふふと笑いながら読んだ。専門用語は頻出するけれど、理解しやすく説明されるので、心配していたAIの知識がなくても、最後までストレスなく物語を楽しめた。

文=波多野公美

 ダ・ヴィンチニュースでは、「さかき漣」さんの特設ページを開設しました。美しいイラストで紹介する『エクサスケールの少女』の人物相関図や、読んだ後に訪れたい「聖地巡礼マップ」、インタビュー記事等を随時更新予定です。乞うご期待!