人生を決める20代からの読書習慣―人生のバイブルを300冊集めよう!

ビジネス

公開日:2017/4/5

『20代の読書が人生を決める!』(本尾読/アイバス出版)

 読書は自由だ。現代人は義務教育を始め、学生であるうちは成績や受験のために教科書や参考書などのたくさんの本を読む。しかし、社会に出てからは何を読むか、読まないかは個人の自由だ。だからこそ20代でどれだけの本を読んだかで、その後の人生に差がついてしまう。

『20代の読書が人生を決める!』(本尾読/アイバス出版)は、テレビ局のプロデューサーとして数々のバラエティや情報番組を手掛けた著者が、20代での読書の大切さを訴えている。本書には、読書を通じて自分を作り、仕事力を高め、よりよい人生を築く知恵が詰まっている。

 まず読書のメリットとして、夢や目標、向上心を失わずにいられることを挙げている。そして仕事のヒントやひらめきを得ることができる。人生で迷ったとき、悩んだとき、つまずいたときの道標になる。ネットで情報を検索するのは便利だが、最近はデマも多い。本もすべてが真実ではないが、読書は著者と自分との対話であり、そこから自分の考えが磨かれるのだ。

 では、具体的にどんな読書をすればよいのか。

 ただ量を読めばいいというものではない。月1冊から週1冊ほどの読書を推奨している。そのなかから人生を通して何度も読み返したい「300冊」のバイブルを集める。その「300冊」が自分の土台になるのだ。どんな本を選ぶかで、読解力や判断力も鍛えられそうだ。

 名作や古典に安易に飛びつくのも良し悪しだ。ときにエリート層の経営者や大先輩がたは『論語』や『孫子』『葉隠』などの古典をこぞって薦めるが、20代には難しすぎてかえって読書嫌いになりかねない。こうした古典は30代、40代になって人生経験を積んでからのほうが深い理解が得られる。もちろん、読めるのであればそれにこしたことはないが、20代はとりあえず買っておいて、興味がある部分だけを斜め読みする程度で十分だという。

 逆に20代に薦めているのがマンガだ。マンガは日本が誇る文化であり、カバンにいれて持ち歩け、気軽に読みやすいので読書の習慣づけに最適という。著者の愛読書も中国古典の『菜根譚』と、マンガの『スラムダンク』なのだとか。

 またビジネス本であれば著者が成功者であるだけでなく、人格者かの見極めも大切だという。若いうちは他人の表面だけを見て悪い面ばかりをマネしたがる。高級外車を乗り回して、毎晩クラブで豪遊し、目上の相手とも対等な口調で話す。こうした成功者の悪癖が格好良くみえてしまう。

 著者の本尾さんもテレビ業界人として数々の著名人や知識人と出会ったが、成功者だからといって尊敬できる人ばかりではなかったと振り返っている。そうした人の本は批判的に捉え、なぜ成功できたかという理由だけを学べばいい。人格に優れ、確かな仕事を続け、よい人間関係を築けている人。こういう人の書いた本こそ、読むべき本だという。

 本を読むことの他にも、「人の話を聞く力を身につける」「挨拶には自分のすべてをこめる」「礼儀やビジネス文書を身につける」など、20代の若手がわきまえるべきビジネスの場での振る舞いについても、誰もができることから始め、よい習慣として身につける道筋を示している。

 4月、新社会人になった皆さんが読書を始める「300冊」の最初の1冊としてオススメだ。

文=愛咲優詩