「好きな日に働く、嫌いな仕事はやらない」東日本大震災で被災した小さなエビ工場の“人を縛らない働き方”

ビジネス

公開日:2017/4/14

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    『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』(武藤北斗/イースト・プレス)

 好きな日に働く、嫌いな仕事はやらない…。小さなエビ工場の新しい働き方を紹介した『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』が2017年4月16日(日)に発売される。

 2011年3月11日、東日本大震災の津波によりすべて流された石巻のエビ工場と店舗。追い打ちをかけるような福島第一原発事故。ジレンマのなか著者・武藤北斗は、工場の大阪移転を決意するのだが、債務総額は1億4,000万円にまで膨れ上がっていた。人の生死を目の前にして考えたのは、「生きる」「死ぬ」「育てる」などシンプルなことと、それを支える「働く」ということ。そして、自分も従業員も生きるための職場で苦しんではいないだろうかという考えに行き着いた。

 その時に考え出されたのが「フリースケジュール」という自分の生活を大事にした働き方。「フリースケジュール」とは好きな日に出勤でき、欠勤を会社へ連絡する必要もない。そもそも当日欠勤という概念すらないといった全く新しい働き方だ。

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 この「出退勤時間は自由」「嫌いな作業はやらなくてよい」など、非常識とも思える数々の取り組みは、「報道ステーション」「羽鳥慎一 モーニングショー」「白熱ライブビビット」「クイズやさしいね」などのテレビ番組や新聞で紹介され、いま大きな共感を呼んでいる。

 品質・作業効率が向上し、離職率・人件費が減少したという「フリースケジュール」。人に優しい働き方の先にあった、想像を超えるプラスの循環を目撃しよう。

武藤北斗
1975年福岡県生まれ。パプアニューギニア海産工場長。3児の父。小さな頃から引越しを繰り返し小学校は3校に通う。小学校4年から高校卒業までは東京暮らし。芝浦工業大学金属工学科を卒業後、築地市場の荷受けに就職しセリ人を目指す。夜中2時に出勤し12時間働く生活を2年半過ごす。その後、株式会社パプアニューギニア海産に就職し、天然えびの世界にとびこむ。2011年の東日本大震災で石巻にあった会社が津波により流され、福島第一原発事故の影響もあり1週間の自宅避難生活を経て大阪への移住を決意。震災による二重債務を抱えての再出発。現在は大阪府茨木市の中央卸売市場内で会社の再建中。東日本大震災で「生きる」「死ぬ」「働く」「育てる」などを真剣に見つめ考えるようになり、「好きな日に働ける」「嫌いな作業はやる必要はない」など、固定概念に囚われず人が持ち得る可能性を引き出すことに挑戦している。

※掲載内容は変更になる場合があります。