『こども君主論』が“本当に役立つ”と話題! 帝王学の名著で知られるあの『君主論』を、齋藤孝先生が、“こどもの教養書”として、小学生から読めるように超訳!!

出産・子育て

公開日:2017/4/7

『きびしい社会を生き抜く人になる! こども君主論』(日本図書センター)

 こどもの時に吸収した言葉は、大人になってからも大きな心の支えとなるものです。テレビのコメンテーターとしても活躍中の教育学者・斎藤孝先生監修の『きびしい社会を生き抜く人になる! こども君主論』(日本図書センター)が刊行直後から人気を集めているのは、本書の中にこどもたちに本当に役立つ言葉があふれているためでしょう。

 この作品は、ベストセラー『強くしなやかなこころを育てる! こども孫子の兵法』『逆境に負けない力をつける! こども菜根譚』に続く大人気シリーズ第3弾で、帝王学の名著・マキャベリの『君主論』をこども向けに超訳したもの。『君主論』を読んだことがある方の中には、マキャベリのきびしい教えが頭に浮かび、「こどもに読ませて大丈夫?」と心配に思う人もいるかもしれません。でも、そこは『孫子の兵法』なども見事にこども向けに超訳した齋藤孝先生。マキャベリの考え方をしっかり伝えながらも、あたたかな言葉で『君主論』をひもといていきます。

 大人と同じように不安や苦しさと向き合わなければならない現代のこどもたち。そんな彼らに役立つ24のことばを、この本はイラストを交えて紹介しています。

advertisement

 たとえば、この本では、こんな言葉が掲載されています。


いつも迷ってばかり…

だいじなのは、自分で決めること。どっちつかずの態度ではなにもうまくいかないよ。

 どんなに迷いや不安があっても、自分でひとつ選ぶことが重要。決める力がない人はいつも中途半端な態度でいるから失敗してしまう。そして、「こっち!」と決めたら、自信をもって進んでいこう。


なんだかうまくいかないとき…

新しい自分になりたいなら、「いつもどおり」を捨てる覚悟だって必要だよ。

 いつもと同じようにやっているのに、思うように成績が伸びないとか、じょうずにピアノが弾けないとか、なんだかうまくいかない日があるでしょう。そんな日は、「いつもどおり」のこだわりを捨てて、ゼロからスタートしてみましょう。新しい方法にチャレンジすることで、うまくいくことは結構あるものです。


人に認めてもらいたい!

人は他人にきびしいもの。自分を認めてもらうためには、ちゃんと実績をつくること!

 大きな目標のために努力することはすばらしいこと。失敗してもその経験はプラスになるけれど、他の人から信頼されるためには、成功という結果が大切。合言葉は「自分にきびしく」! 1つずつ成功を積み重ねていくことで、はじめて人に認めてもらえる自分になれるのです。


ひどいことをされた!

こころに不安があったり、自分に自信がなかったりすると、乱暴な人になってしまうよ

 乱暴なことをする人がいたら、怖がったり、遠ざけたりせず、冷静に接して相手のこころを想像してみましょう。そんな態度をとっているのは、弱い自分を守っているからかもしれません。見た目が強そうだからといって、その人のこころも強いとは限らないものです。

「やさしさときびしさは、バランスがたいせつ」「運だけでうまくいっても、結局あとで苦労するだけ」「運命だって、自分しだい! ふりまわされず、思い描いた未来を手に入れよう!」……。この本に書かれているのは、リーダーをめざす人だけでなく、社会を生きるどんな人でも必要なことばかり。

 この本の「あとがき」には、この本を手にする親御さんに向けて、齋藤孝先生のこんな想いが書かれています。

 お子さんを取り巻く環境は、大人と同じように、きびしさにあふれています。だからこそ、お子さんが大人の社会に出ていく、そう遠くない日に向けて、早い段階から「本当に役立つこと」を伝えていくのも、必要なのではないでしょうか。こどもたちは大人が思っている以上にたくましく、しなやかで、自分らしくあろうとする心をいつの間にか育てています。おとなはもっとこどもを信じて「世の中のホント」を知らせてもいいと思うのです。

 この本を手にしたすべてのこどもたちが、そして、大人も「厳しい社会を生き抜く人」になれるようにという願いが込められたこの作品。たくましく、しなやかな大人になるためのこの1冊をぜひお子さんとともに読んでみてはいかがでしょうか。

文=アサトーミナミ