織田信長が柴犬として現世によみがえった! 群雄割拠を極めるハートフルギャグ漫画

マンガ

更新日:2017/6/4


『織田シナモン信長(ゼノンコミックス)』(目黒川うな/徳間書店)

 1582年6月2日。本能寺の変によって織田信長はこの世を去った。天下統一のため、己の野望のため、非道の限りを尽くした信長は死ぬ間際に悟った。

「おそらく来世は犬畜生まで落ちる…か」。

 業火に飲まれ、崩れ落ちる本能寺。信長は死んであの世へ行き…そして現代によみがえった。何の因果か、本当に犬としてよみがえってしまったのだ! ばっちり前世(織田信長)の記憶が残ったまま、可愛い名前「シナモン」と名付けられ、織田信長はこの世に帰ってきた。

『織田シナモン信長(ゼノンコミックス)』(目黒川うな/徳間書店)は、そんな織田信長が、織田信長として、ペットとして、現代の文化にふれるハートフルなギャグ漫画だ。織田信長の威厳を持ちつつ、犬の性に勝てずに穴を掘ったり、ジャーキーを口にしたり、飼い主の尾田市子に「大うつけが! 下着をたためぃ!」とキレたり、中身と外見のギャップが本書の世界観を彩っている。

 さらに最大の魅力は、あの有名武将たちも同様にこの世によみがえっている点だ。伊達政宗はブル・テリア、上杉謙信はボルゾイ、武田信玄はポメラニアンとして…って全部犬やないか!

 かつて戦国時代では群雄割拠を極め、偉大な武将たちが自らの命と誇りを賭けて領地を奪い合った。その偉人たちは舞台を現代に移し、ドッグランにて群雄割拠を極めるほのぼのとした会話を繰り広げている。

ボルゾイ謙信  「お主は火に縁があるのう」
シナモン信長  「そうであるか?」
ブル・テリア政宗「比叡山延暦寺の焼き討ちもだろ」
ポメラニアン信玄「焼いたり焼かれたりの人生だのう」
シナモン信長  「実はワシ…寺焼いてないのである」
 一同  「エエエエエエエエ」

…これぞ群雄割拠な会話…かもしれない。本書を読んでいると歴史の勉強になるところもいい。

 やはり文化と生活環境の力は恐ろしいもので、この世の全てをほしいまま手にした織田信長も、シナモン信長として現代によみがえると、かつての偉人の人格が見事に崩壊している。そこで最後にシナモン信長が放った、現代に染まりすぎて出てしまった残念なセリフを紹介したい。

「若い女の手から飲む水がこんなに美味いとは!!」
「(織田信長2014年大河ドラマにて死亡(3年ぶり16回目)の話題になり)いやだであるぅぅぅっ」
「クッサ~これ本当にワシの屁!?」
「ワシの尻だってフワフワであるぞ」
「キャバクラ幕府!? 何それ? すげー良い響きである♡」

 そこいらのおっさんと変わらんセリフやないか…。シナモン信長よ…。

文=いのうえゆきひろ

■『織田シナモン信長』3巻は4月20日発売!

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