コクヨ社員に「文具の見つけ方、使い方」「仕事が楽しくなる文具の本5冊」を聞いた!

仕事術

更新日:2017/5/8


 ノートの定番「Campus」シリーズでお馴染みの文具メーカー・コクヨの社員にノートの使い方を聞いた『たった1分ですっきりまとまる コクヨのシンプルノート術』(コクヨ株式会社/KADOKAWA)。プロ視点の実践的なアイディアは、仕事のヒントに是非活用したいところ。

 今回、その本を代表してコクヨ株式会社事業開発センターの中井信彦さんに「自分にあった文具の見つけ方、使い方」、そして「仕事が楽しくなる文具の本」についてきいた。

コクヨ株式会社事業開発センターの中井信彦さん

 

仕事でもプライベートでも、手書きのノートを用途別に使い分け

 私のアイディアはNo.38の「スマホ写真をプリントしてノートに貼る」というのと、No.92の「ブロックメモを胸ポケットに入れておく」というもの。スマホ写真はメモだけでは表現しにくいものを記録するのに役立ちますし、ブロックメモはTO DOなど思いついたときに書いておかないと忘れそうなことをメモして、帰社したらデスクのクリップにとめておいて終わったら捨てます。

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メモだけでは表現しにくいものをスマホ写真で記録する

 ブロックメモのほかは、基本的には弊社の「キャミアップ」シリーズのA5ノートを常に持ち歩いています。このノートはスマホで写真をとるとアプリで傾きを自動補正してキレイにデータ化できるので、そのままEvernoteにあげたりもできるんですね。またメンバーとのミーティングでは「A4のリング式のノート」をホワイトボードの代わりのような感覚で使っていますね。その場で出た意見をどんどん書き足せるし、あとで時系列で振り返ることもできるので便利です。

「A4のリング式のノート」をホワイトボード代わりに

 プライベートでもノートを活用していて、その日に気がついたことを書き出すため用、旅行や遊びのときに気がついたこと用、週末のラン用とか、用途別に弊社の測量野帳シリーズを使い分けています。

 

自分にあう文具やスタイルはとにかく試して探せばいい

 「ペンはサラサ(ゼブラ)で目的別にノートを使い分ける」という今のスタイルに行き着くまでには、とにかくいいと言われるものを片っ端から試しました。もう周りから「パクリすぎでしょ」と言われるくらいに(笑)。実は私、電機メーカーから転職してきたので、昔はタブレットに電子ペンというバリバリのデジタルガジェット派だったんですよ。転職を機に「手書きのよさをあらためて体感したい」と思ってペンとノートに切り替えたんですが、むしろアナログのほうが頭の中のものがド直球で出せるって発見したんですね。以前は「俺はデジタル使ってるゾ」じゃないですが、どこかモノに自分をあわせていたところもあったのかもしれません。

 自分の場合は、モノ選びの基準は「思っていることをストレートに書き出す」という目的に適うかどうかなので、なるべく雑音を排してモノとしての主張が少ないことが大事。あとは壊れにくいとかかすれにくいとか、信頼感みたいなものが選択のポイントです。もちろん高価な文具のほうが気分が上がって仕事がはかどるという方もいるでしょうし、その辺は好みの問題。今は文房具ブームでいろいろ情報もあるので、まずはとにかく実際に試して自分にあったものを探してみるといいと思います。

 

頭の中のモヤモヤを吐き出す! そこから始まる「考える」作業

 今回、紹介する本からも教えられたことですが、頭の中のアイデアを吐き出していく作業というのが「考える」ことに直結しているんですよね。だから、頭の中で考えがまとまらずモヤモヤするのではなく、とにかく書いて吐き出して「見える化」する。それを客観的に見直せば整理できるし、その作業を繰り返すと頭の中が常に整理された状態になる。何かモヤっとしたらすぐわかるし、またそれを吐き出せばいいわけです。昔は割と悩むタイプだったんですが、今はプライベートの不安も吐き出すので「これなら2、3日でなんとかなるな」と客観的に考えられるようになって、よく眠れるようになりました(笑)。

 常に吐き出してスッキリしておけば、相手にどうやって伝えたらいいかとか、より本質的なことにも目がいくようになります。あとは、モヤモヤとした中間体の状態でも吐き出したノートをメンバーと共有してしまうのも大事。パワポでまとめたものだと完成されすぎていてイエスかノーしか反応が返ってこなくなりがちですが、ノートなら自分では気がつかなかった思考のクセを指摘されたり、新しい流れが生まれたりすることもある。それこそが本質に近づく早道で、結果的に生産性もあがるんじゃないでしょうか。ちなみにノートがキレイかどうかなんて関係ありません。僕も以前は人にノートを見せるなんてことはなかったのですが、思い切って見せていればすぐに普通になりますよ(笑)。

 

コクヨ社員が選んだ、仕事が楽しくなる“文具にまつわる本”5選!

取材・文=荒井理恵