「冒険の書」ならぬ「料理の書」?! “カテイリョーリー”レベル0の勇者が挑戦! 初歩の初歩から学べる家庭料理のレシピ本!

食・料理

2017/4/19

『てふや食堂 レベル0からはじめる勇者ごはん』(てふや食堂/一迅社)

 仲間を集め、モンスターを倒しながら成長し、魔王やドラゴン、ボスに挑む「勇者」。ファンタジー世界の定番の職業だが、彼らの生活を改めて考えてみると、何がいるかも分からないダンジョンを探索したり、情報収集に奔走したり、ひたすら戦闘を重ねて経験値を積んだりと相当ハードだ。宿に泊まれず野宿をする日だってある。

 そんな、私たちの日常とはかけ離れた生活を送っている勇者が家庭料理に挑んだら……という、一風変わった設定のレシピ本『てふや食堂 レベル0からはじめる勇者ごはん』(てふや食堂/一迅社)が登場した。魔物退治には慣れていても、料理に関しては全く無知な勇者。そんな勇者が、肉の種類や食材の切り方、味付けの仕方などの基本を学び、レベル0から「カテイリョーリー(=家庭料理)」に挑戦していく。

 本書は、「勇者が料理」という面白設定なだけではなく、実際に使えるお手軽レシピがたくさん掲載されているれっきとしたレシピ本。そこで、いくつか作って紹介しよう。

■レベル1:「玉ねぎとベーコンのレンジ蒸し」(P.37)


 まずはレベル1の「玉ねぎとベーコンのレンジ蒸し」。皮をむいた玉ねぎに十字の切り込みを入れ、ベーコンを挟む。あとは塩コショウをかけてラップをし、レンジで加熱するだけ。

 玉ねぎとベーコンの出汁が混じり合い、シンプルなのに旨みたっぷり。玉ねぎから出たスープも絶品! 少ない、どこでも入手できる材料で作れるのも嬉しい。

■レベル5:「ピーラーキンピラ」(P.42)


 続いて、レベル5の「ピーラーキンピラ」。ごぼうとにんじんをピーラーで薄くスライスし、ごま油、鷹の爪と一緒に炒める。砂糖、醤油、酒で味付けし、汁気がなくなるまで炒めたら完成。

 ピーラーを使用することで細切りにする手間が省けるので、包丁が苦手な人でもあっという間に作ることができる。きんぴらは冷めても美味しいので、多めに作って置いておけば何かと役に立つ。定番の甘辛い味は、ご飯にもパン、うどん等の麺類にも合う。好みでごまを加えるとより美味しい。

■レベル10:「豚肉とキムチのうどん」(P.64)


 最後はレベル10の「豚肉とキムチのうどん」。フライパンにごま油をひき、豚肉、キムチを炒める。うどん、めんつゆを加えてさらに加熱し、汁気がなくなったら盛り付けてねぎを散らせば出来上がり。

 キムチとめんつゆは、常備しておくと何かと便利。これをうまく活用すれば、味付けに自信がない料理初心者でも失敗することはまずない。豚肉のうまみにキムチのピリっとした刺激と酸味、めんつゆのほのかな甘さがクセになる味。ここまで作れるようになれれば、とりあえずは困らないだろう。ゲームでいえば、駆け出し勇者用のダンジョンに安心して入れるくらいのレベルだ。

 この『てふや食堂 レベル0からはじめる勇者ごはん』には、レシピだけではなく、料理初心者がしがちな失敗を描いた4コマ漫画も掲載されている。さらに、よく使われる調理器具や調味料、計量の仕方、ご飯の炊き方、役立つ用語集など、まさにレベル0から始めるにふさわしい初歩の初歩が詰まっている。

 何が起こるか分からない環境で生活している勇敢な勇者が料理をマスターすれば、鬼に金棒。もうどこでも生きていけそうだ。料理は、それだけ便利なスキルなのだ。勇者ではない普通の人も、料理は苦手でつい出来合いのもので済ませてしまうという人も、この“冒険の書”ならぬ“料理の書”を開いて、楽しく料理スキルの取得を目指してみては?

文=月乃雫