「トロッコ問題」「アキレスと亀」「ありえない計算式」… 考えることが面白くなる33の思考実験!

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公開日:2017/5/5

 考えることが面白くなる思考実験の入門書『論理的思考力を鍛える33の思考実験』が、2017年4月27日(木)に発売された。

 “思考実験”とは、ある特定の条件の下で考えを深め、頭の中で推論を重ねながら自分なりの結論を導き出していく思考による実験のこと。例えば、ニュートンは落下するりんごを見て、この現象が宇宙の他の星にも働いているのではないか、なぜ月は落ちてこないのかと着想したという説がある。この思考が、有名な万有引力の法則につながっていくのだが、これもりんごが落下するという事象を頭の中で拡大解釈していった、一種の思考実験だ。

 同書では、「トロッコ問題」「テセウスの船」「アキレスと亀」「ギャンブラーの葛藤」「モンティ・ホール問題」「エレベーターの男女」「マリーの部屋」「ありえない計算式」など、有名どころからオリジナルまで、あなたを迷わせる33の思考実験を掲載。

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 「倫理観を揺さぶる思考実験」と題してまず最初に出題されるのは、思考実験を一躍有名にしたトロッコ問題だ。暴走したトロッコの先には5人の作業員がおり、線路を切り替えれば1人の作業員がいる。このときあなたは5人を助けるために線路を切り替えるか? という、5人の命のために1人を犠牲にするのかという究極の選択を迫られる。1つの場面からいくつもの設定が加わり、シナリオが多岐にわたって展開していく有名な問題だ。

 その他にも、俊足の男が亀に追いつけないはずだという「アキレスと亀」に代表されるような、“矛盾”があなたの思考を惑わせるパラドックス問題、数字と現実の不一致を扱った極めて論理的な問題、過去と未来を想像したり初めて色を見た瞬間を想像したりと、「脳の中で世界観を作り出す」必要のある問題がずらりと並ぶ。

 思考の渦に飲み込まれそうな難問の数々に思わず頭を抱えてしまうかもしれない。けれど、物語やトリックのような世界を楽しんでいるうちに自然と論理的思考力が鍛えられ、あなたの思考の中の新たな発見や気づきが生まれるはずだ。現実問題に直面したとき、ロジカルな思考があなたを救ってくれるかもしれない。

北村良子
1978年生まれ。有限会社イーソフィア代表。パズル作家としてWEBで展開するイベントや、企業のキャンペーン、書籍や雑誌等に向けたパズルを作成している。著書は『パズル作家が明かす脳にいいパズルはどっち?』『おうちで楽しく! でんしゃの学習ブック 7さいまでのひらがな・カタカナ・数字の練習』他。

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