残った肉はいぶして翌朝サンドイッチに… 獲物を山で食べるための技術とレシピ

食・料理

公開日:2017/5/4

 アウトドアに精通した著者が山の恵みを使った料理を紹介する『サバイバル猟師飯 獲物を山で食べるための技術とレシピ』が、2017年5月8日(月)に発売される。

 山で獲った獲物を解体し、肉を整理する。焚き火をおこし、自作のポッドハンガーにぶら下げたクッカーで湯を沸かしながら、油を引いたスキレットで獲れた肉を焼き始める。まずはあまり凝らずに塩と胡椒だけで味を付け、しっかり焼けたらナイフで一口大に切り、口へ運ぶ。この肉はどんな味がするのか、毎回獲物を獲ったあとの楽しみだ。

 残った肉は焚き火でいぶして、翌朝サンドイッチに。こうすることで、より長く保存することが可能。山の恵は一晩寝かせることでさらに旨味が増し、スープの具材やつまみとしても重宝する。命を“いただく”のだから、なるべく余すことなく、使える材料は工夫を凝らすことで自身の一部になる。

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 獲物を美味しく食べること、それは猟師の楽しみであると同時に、さまざまな命に感謝することに繋がる。同書では、熊、鹿、猪、鳥類、魚類、穀物など、これらを山中でどうしたら美味しく食べられるのか、著者がマタギから学んだ方法や、独自に編み出したサバイバルレシピを交え紹介していく。

 日本には伝統的なマタギ猟があるが、獲物に必ず出会う保証があるわけでもなく道なき道を行く山中での狩猟は決して生半可なものではない。だからこそ獲物を仕留めたときの手応えや、自身の手で調理して口に運んだときの喜びは格別なもの。そんな経験と技術が脈々と受け継がれ、私たちに「山で生きる」意味を教えてくれる。

 猟銃やサバイバルナイフなどは普段手にする機会がなく、「サバイバルとは無縁の生活」と思うかもしれない。それでも、同書からはさまざまな“生きるための術”を学ぶことができる。山という自然がもたらす恩恵がどういった形で調理されて姿を変えるのかも楽しみの1つ。アウトドアの新たなバイブルとして活用してほしい。

荒井裕介
シャラプロジェクト代表。ハンティングやサバイバル技術、アウトドアギアに関する造詣が深く、刃物にも精通。毎年、秋冬にはハンティングのために山にこもり、解体処理から調理を山中で行うブッシュクラフター。『WILDERNESS』で連載をもつほか、『BE-PAL』などでも活躍している。著書に『アウトドア刃物マニュアル』がある。

※掲載内容は変更になる場合があります。