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テレビから“国民的ブーム”を起こす3つの法則とは? 「今年の漢字」「佐世保バーガー」…数々のブームを作ったPRプロデューサーが説く!

『テレビが飛びつくPR』(殿村美樹/ダイヤモンド社)

 なんだかんだ言ってテレビの影響力は大きい。「テレビはつまらない」「あまり見ない」という声も聞かれる中、テレビが取り上げた商品は品薄になり、テレビが取り上げたお店には行列ができ、テレビが取り上げた芸能人は一躍有名になる。未だその効果は絶大だ。そのためテレビに取り上げてもらおうと、あの手この手で宣伝をしている企業や飲食店も多いのではないだろうか。

 『テレビが飛びつくPR』(殿村美樹/ダイヤモンド社)では、「今年の漢字」「佐世保バーガー」「讃岐うどん」など、数々のブームを引き起こしてきたPRプロデューサー殿村美樹氏がテレビに取り上げてもらうための3つの法則と10の技術を紹介している。本書の内容は非常に濃く、殿村氏の経験と事例を交えて分かりやすく書かれている。興味のある方は本記事を読むより、本書を買ってしまった方がいいだろう。しかしここで記事を終わらせてしまうと、ダ・ヴィンチニュース編集部より「いのうえは仕事をする気があるのか?」と怒られてしまう。そこで今回は本書の内容を超要約した文章と共に、「テレビが飛びつくPR」の3つの法則をご紹介したいと思う。

 テレビが飛びつくPR企画を立てるには、誰もが共感できるPRテーマが必要だ。そのための基本的な考え方が3つある。

【法則1】見えないものをビジュアル化する

 「日本漢字能力検定協会」から「漢検を有名にして受検者を増やしてほしい」という命を受けた殿村氏。そこで「その年の世相をビジュアル化すれば、テレビが大きく報道してくれるかもしれない」と考えた。その結果生まれたのが、「今年の漢字」。「見えないもの」、つまり「今年の世相」を漢字一文字で表現することによって人々の心をとらえ、「今年の漢字」は年末の風物詩になった。

【法則2】分かりやすいストーリーを中心に考える

 一時期とても話題になった「佐世保バーガー」。巨大なアメリカンバーガーが印象的だが、実は殿村氏が出会った頃、佐世保バーガーは小さな手作りハンバーガーにすぎなかった。ちょうどその頃、オープン2年目に突入したハウステンボスの“次なる宣伝”のため、「米軍基地のハンバーガー食べ歩き」を打ち出した。これがピタリとはまり、次々と報道陣が訪れた。そのとき報道ディレクターが佐世保バーガーを口にし、「美味しい」と大絶賛。しかし佐世保バーガーを提供している店の周辺は住宅地のためテレビ向きではない…。そこで目を付けたのが一軒のアメリカンバー。そこで提供された巨大ハンバーガーにディレクターは「これこれ!」と大興奮。後日、女性レポーターとカメラクルーを引き連れ、「これが米軍基地のある佐世保ならではのハンバーガーなのです!」と報道し、佐世保バーガーのイメージが世間に刷り込まれていった。もし佐世保バーガーがアメリカンバーガーでなかったら、もし佐世保に米軍基地がなかったら、佐世保バーガーは巨大化することもなく、話題になることもなかったと殿村氏は述べている。分かりやすいストーリーとビジュアルがテレビを引きつけるのだそうだ。

【法則3】誰もが共感できるテーマをつくる

 バブルが崩壊し、国民が不況にあえいでいる頃、殿村氏は「讃岐うどん」と出会った。初めて知る讃岐うどんの文化に恐れ入った殿村氏は「さぬきうどんの食べ歩きツアー」ができると考えた。讃岐うどんの「安い」「美味い」「手軽」というポイント、他の地域では見たこともないうどん屋の光景がテレビ関係者だけでなく、当時の不況にあえぐ国民の心にも刺さった。なにより「うどん」という国民食がブームに拍車をかけた。誰もが納得できる、共感できるテーマが「讃岐うどん」にあったのだ。

 テレビ局や制作会社に勤めるディレクターやプロデューサーたちは、常に新しいものや面白いものを求めている。そして一番こだわっているのは、その「見せ方」だ。こだわりの強いテレビマンたちの心をくすぐる方法が本書には詳しく書かれている。次なる国民的ブームは、本書を手にとった読者から生まれるかもしれない。

文=いのうえゆきひろ



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