くらもちふさこ『花に染む』が第21回「手塚治虫文化賞」マンガ大賞受賞! ファンから祝福の声続々

マンガ

公開日:2017/5/1

 くらもちふさこの『花に染む』が第21回手塚治虫文化賞・マンガ大賞に選ばれ、「大好きな作品が受賞…! くらもちふさこ先生ほんとすごい」「おめでとうございます! 先生は紛れもない天才です」と祝福の声が上がっている。

 手塚治虫文化賞はマンガ文化に大きな足跡を残した手塚治虫の業績を記念したもので、マンガ大賞は年間を通してもっとも優れた作品に贈られる。これまでに岡崎京子の『ヘルタースケルター』や原泰久の『キングダム』、羽海野チカの『3月のライオン』といった漫画が受賞しており、去年は一ノ関圭の『鼻紙写楽』と、あずまきよひこの『よつばと!』が受賞した。

 『花に染む』は、弓道部の少女・宗我部花乃、火事で両親と兄を亡くした圓城陽大、陽大の従妹の雛(すう)、そして陽大に一目ぼれをした楼良の4人を中心に繰り広げられる物語。弓道を題材に扱っていることもあって、静かな緊張感と繊細な人間関係の描写が特徴で、「心情描写は少ないけど、人物の間に漂う空気を感じられる不思議な漫画」「漫画が絵を見せる読み物であることの意味をこれでもかと見せてくれた」と魅了されるファンが後を絶たない。

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 くらもちはこの作品について「これまでの執筆活動の中で最も難産だった」とコメント。苦しみながら描いているときに手塚治虫の漫画『火の鳥』のシーンを思い浮かべたこと、幼年時代は手塚漫画で育ったことを語り「この度の受賞で手塚漫画がルーツとは恐れ多くて申し上げられませんが、出発点ですと語れることを幸せに思います。有り難うございました」と感謝の言葉を述べている。

 くらもちのほかにも、清新な才能の作者に贈られる「新生賞」には『昭和元禄落語心中』の雲田はるこ、短編賞には深谷かほるの『夜廻り猫』が選ばれ、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』40年の連載完結に対して秋本治には特別賞が贈られた。

 手塚治虫文化賞公式サイトでは、各受賞者のコメントや描き下ろしのイラストを掲載。マンガ界を担う作家たちのこれからの活躍に期待しよう。

◆手塚治虫文化賞公式サイト:http://www.asahi.com/shimbun/award/tezuka/