肥満の原因? 睡眠不足は飲酒運転と同じ状態?「寝不足」改善、仕事力をアップさせる3つのコツ

暮らし

公開日:2017/5/11

『できる大人の9割がやっている得する睡眠法』(小林瑞穂、森下えみこ/宝島社)

 春眠暁を覚えず――待望の春、毎日寝ても寝ても眠くてしょうがない季節だ。しかし、よくよく考えてみれば春に限らずいつでも眠い。最後にすっきり起きることができたのはいつだったか、寝たはずなのに疲れが取れない。

 そんな睡眠の悩みを抱えていても、どうすればいいのかわからない。枕を変えればいいとか、日の光を浴びるとか聞くけれども…。そんな悩みに答えてくれるのが『できる大人の9割がやっている得する睡眠法』(小林瑞穂、森下えみこ/宝島社)だ。睡眠アンバサダーであり薬剤師の小林瑞穂氏がわかりやすく快眠への方法を伝授してくれ、イラストマンガ家の森下えみこ氏のカラフルかつ可愛らしいイラストが満載。スラスラ読める一冊となっている。

 まず、本書で初めに書かれているのは睡眠不足の弊害について。肩こりや便秘、動悸・息切れ、生活習慣病などを引き起こすだけでなく、身体の代謝が低下し、脂肪が燃えにくくなるそう。さらに食欲促進ホルモンが分泌され、食欲抑制ホルモンが減少するため、つい食べ過ぎてしまうという。つまり、「寝不足」は太る原因となってしまうのだ。

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 そして、十分に寝ないと仕事にも大きな影響が。睡眠不足の状態で仕事をすることは、なんと「飲酒運転」と同じ状態なのだそう。しかも、一発免停となる「血中アルコール濃度0.05%」を超える「血中アルコール濃度0.07%」にも及ぶ。仕事が終わらないからと、徹夜をするよりもいったん寝てしまった方が得かもしれない。ましてや、車など運転しようものなら事故を起こす可能性は跳ね上がるだろう。寝不足には気を付けたいところだ…。

 そして本書の肝である「仕事力がアップする3つのコツ」について紹介しよう。

(1)カーテンを開けて寝る
(2)夜はゆるめる
(3)朝は好きから始める

というのが、3つのコツだ。

 1つ目の「カーテンを開ける」は朝自然と日光を浴びることで体内リズムを整え、質の良い睡眠を促し、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌することができるそう。

 2つ目の「夜はゆるめる」というのは、リラックス状態になることで休息モードの「副交感神経」を働かせること。そうすることで身体が自然と睡眠の準備を整えてくれるという。具体的には、静かで心地よい音楽を聴くことや温かい飲み物を飲むなど。昔からいわれるホットミルクを飲むというのは非常に理にかなっているのだ。

 最後の「朝は好きから始める」は好きなことをすることで、ドキドキワクワクする気分で一日をスタートさせるということ。これは自分が好きなことならば何でもOK。目覚まし代わりに自分の好きな音楽を聴く、熱めのシャワーを浴びてスッキリ、好きなスイーツを朝ごはんに食べるなど、ちょっとテンションが上がるような行動を取ることで、やる気・快楽の効果があるドーパミンが分泌されるそう。これなら、来なければいいと思っていた目覚めの時間も楽しみになるかもしれない。

 他にも、どのような寝具を選べばいいのか、快眠を促すおススメグッズの紹介などバラエティに富んだ内容に。少しずつ取り入れていくことで、これまでよりも質のいい睡眠ができるはずだ。

 睡眠時間が8時間であれば、一日の3分の1は眠っている。つまり人生の3分の1が睡眠時間ということになる。この時間を有効活用して、残りの起きている3分の2の時間をもっと素晴らしいものにしたいものだ。

文=冴島友貴