こんな女の子ほし…い!? 手のひらサイズの可愛くて狂暴な「リュウちん」に、中毒者続出!!

マンガ

更新日:2017/5/17

『ハカセの気まぐれホムンクルス』(加我皓平/KADOKAWA)

 アニメや漫画に出てくる手のひらサイズのミニチュアなキャラクターを見て、「自分もあんな(物理的に)小さな女の子が欲しい!」「なぜ現実に存在しないのか……!」と、常々歯痒い思いをしているミニチュア好きは多い。「何それ気持ち悪い」と思う人でも、可愛い子猫や子犬など、小さくて可愛い生き物が嫌いな人は少ないはずだ。人間は小さくて丸っこいものを見ると、本能的に可愛いと感じ、守りたくなるようにできているらしい。

 連載型新作マンガ配信サービス「GANMA!」にて連載中で、4月末には単行本1巻が発売となった『ハカセの気まぐれホムンクルス』(加我皓平/KADOKAWA)は、その本能ともいえる欲求に応えるべく「癒しの妖精プロジェクト」を立ち上げ、見事小さな可愛いホムンクルスを作り上げた研究機関“アルケミーグループ”のメンバーと、そのホムンクルスの生活を描いたギャグコメディ。

子どもをそのまま手のひらサイズにしたような、ぷにっと愛らしいホムンクルス「リュウちん」

「コミュニケーション能力をもつ“妖精ユニット”で癒しを提供し、一家にひとりの普及率を目指すプロジェクト」の第1弾として生み出された彼女は、一見天使のよう。だがしかし、彼女には欠点があった。このリュウちん、こんな可愛い姿をしていながら、非常に狂暴なのだ。手を差し出せば噛みつき、思いっきり払いのける。そして欲望に忠実で、好物と思われる蜂蜜のビンを近づければ、慌てすぎて中に落ちてしまうほど。一言で言うと、非常に扱いづらい性格なのだ。

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 しかし、小さくて狂暴でもやっぱり女の子。手芸好きの研究員・葵が服を作って与えると、目を輝かせて飛びつくという可愛い一面も。

可愛い服を着せてもらい、嬉しそうなリュウちん。天使か……っ!

 また、研究員たちも個性的。とはいっても、研究員たちの姿が描かれることはほとんどなく、基本的に吹き出しに絆創膏や唇、糸など特徴を表したイラストが描かれるのみ。研究員はあくまで脇役で、とにかく小さくて可愛いホムンクルスを見てくれ、ということか。だが、大歓迎だ。

 リュウちんの他にも、ライバルの「ロボット工学研究室」で作られた「ロボコ」や、リュウちんのクローンとして作られたホムンクルス第2弾「こたつ」など、癒しの妖精たちが次々と生み出される。ロボコは一見気が強そうな見た目だが、リュウちんの凶暴さには勝てず、いつも彼女に壊されては泣きながら退散する羽目になる可哀想な奴だ。また、こたつはリュウちんのクローンとは思えないほど人懐っこく、いつもリュウちんの暴走の被害に遭うが、その後もしれっと懐いている。お姉ちゃんとして認識しているのかもしれない。

 研究員たちは、それぞれ妖精たちを1体ずつ引き取り、誰が最初に見事な癒しの妖精に育てられるかを競うことになる。……が、そんなことお構いなしの自由奔放な妖精たち。まるで動物園のような騒がしさだが、小さくて可愛いから許せる。小さいは正義。これは本能なのだ。仕方がない。

 小さい女の子が好きな人は、ぜひこの『ハカセの気まぐれホムンクルス』を読んで、可愛くて狂暴なリュウちんに噛みつかれる体験をしてみてほしい。

文=月乃雫