晩ごはんのこと考えるのがつらい…。それ、「晩ごはん症候群(シンドローム)」かもしれません!

出産・子育て

公開日:2017/5/23

『晩ごはん症候群(シンドローム)』(フクチマミ/主婦の友社)

「きょうの晩ごはんどうしようかな…」。朝ごはん食べながらすでに夜のことを考えている人は多いのではないでしょうか。誰だって晩ごはんについて日々頭を悩ませているはずです。

 けれども、こんな症状はありませんか? 「晩ごはんのことを考えると気が重くなる」「夫や子どもが食べないことを考えるとため息が出る」「もう晩ごはんを作るのがイヤだ!」。

 晩ごはんについてこんなネガティブな感情を抱えていたら、それは「晩ごはん症候群(シンドローム)」かもしれません。

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■以前は料理するの好きだったはずなのに…

 晩ごはんのゆううつなこの気分にネーミングを付けたのは、マンガ家のフクチマミさん。この度コミックエッセイ『晩ごはん症候群(シンドローム)』(主婦の友社)にて、解決方法を探ってくれました。

 フクチマミさんは、以前は料理を作るのが好きだったのに、家族を持ち子育てと仕事と負荷が増えてきたところ、気がつくと「晩ごはん症候群(シンドローム)」、略してBGSになっていたというのです。

■シンプルに考えればうまくいく

 そこでこの重い気持ちをどうにかできないのか、まず考えたのが、自分の料理の基本を見直すこと。献立が立てられない、手際が悪い、家族が食べてくれない。これらを解決するには、基礎がなっていないからではないか。そんな疑問を抱え、料理研究家の上田淳子さんへ教えを請いました。

 上田さんが教えてくれたのが「ポークソテーの作り方」「だしのとり方」「煮物の作り方」「サラダの作り方」など。一見誰でも作れる料理の数々。いわば料理の基礎だからこそ、手際よくおいしい作り方を知ることで、料理のテクニックが向上します。

 そして献立を立てる際の考え方の軸も教えてくれます。献立とは食材と調理法を「掛け合わせ」。例えば「焼く」という調理法に対して、豚肉なら「ポークソテー」、鶏肉なら「照り焼き」、魚なら「塩焼き」。

 軸をハッキリ決めれば、今日は何にしようと、頭を悩ませる頻度も激減します。


■買い物もあるし、後片付けもしなくちゃ

 テクニックを磨いても、気分が晴れないフクチさんは、次は様々な人に会い、なぜBGSになるのかを考えてみました。その結果、まず見えてきたのが時間的制約。晩ごはんは、食べる前に調理しているだけが「晩ごはん作り」ではありません。

 献立を考える、買い物に出かける、調理する、そして後片付けをする。実はけっこうな時間の掛かる作業だったのですね。これを子育てしながら行うには時間のやりくりが大変です。

 晩ごはんには、この前後の時間の確保が欠かせないのです。時間的制約のあるなかで「いいもの」を作るのは、なかなか大変。しかも育児中の専業主婦は、周りから「お前は時間があっていいよな」と言われたりと理解がえられません。そのつらさを分かってもらえないこともBGSになってしまう大きな理由です。



■自分が食べたいものを作れば気持ちがラクに!

 せっかく手の込んだ料理を作っても「子どもが残す」「夫の好みではなかった」。自分一人なら晩ごはんなんて適当に作ります。家族がいるから、家族のためにせっかく作ったのに、評価はゼロ。

 そもそも家事には基本的に対価もなく、日々評価も感謝もされづらいもの。がんばっても人に認めてもらえないってつらいですよね。でも、とあるママさんの言葉から気付かされます。

 あるママさんは、夫から感謝されたいがために毎日料理を作っていました。けれども、それが実は自分を苦しめていたと。評価されることを辞めたら悩まなくて気持ちがラクになったそうです。

晩ごはん作りって毎日のことだから
頑張れる日もそうじゃない日もある…
無償でやっていることだから
他人からの評価や感謝だけをよりどころにすると続かなくなる

 大切なのは、自分で自分を認めてあげること。まずは自分が食べたいものを優先してOK 。だって、自分が幸せでないなら家族も幸せになれないから。それプラス家族からの「おいしいね」「ありがとう」があれ最高に幸せな食卓になるはず。


 さらにこの本では、「愛情のこもった料理」とは何か、についても触れています。愛情って、手間や時間を掛けることなのでしょうか。そんな固定観念に捕らわれていませんか? 愛情ってなんなのでしょうね。

 またこの他にも、人には得意、不得意があり、料理にもそれが当てはまるとも紹介しています。このようにこのコミックエッセイでは、あなたを苦しめる原因にさらに奥深くまで踏み込んで紹介しています。

 あなたにとって晩ごはん作りを苦しめるハードルとはなんなのでしょうか。読んで見ると原因がきっと掴めるはずです。

文=武藤徉子