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スティーブ・ジョブズは、自分の子どもにはスマホを使わせなかった!? 「ゆりかごから墓場まで」国民総スマホ時代を迎えた日本へ警鐘‼

 幼児からシニア世代まで、国民総活躍社会より一足先に、日本は国民総“スマホ時代”を迎えている。しかし、急速に普及するスマホはたとえるなら、まだ副作用の見えない新薬のようなもの。利便性や多機能性の一方で、この先、想定外の落とし穴は待ち構えていないのか? 

 『スマホ廃人(文春新書)』(文藝春秋)の著者で、長年、家族や教育・インターネット問題に取り組んできたジャーナリストの石川結貴氏は、本書の冒頭でその胸の内をこう明かす。

(ネットいじめ、SNSで「つながり依存」に陥る若者など)「さまざまな現場に関わりながら、この数年、新たな問題に胸がざわつく。スマホが子育てや教育、ひいては私たちの社会生活を根本から変えてしまうのではないか、という危惧だ。」

 そんな著者が本書で取り上げるのは、スマホ育児の最前線、即返信や空気を読むのが掟のSNSに疲弊する若者世代、ソーシャルゲームやお小遣いサイトにハマる人々、スマホJKビジネス、GPSでの勤怠管理に苦悩する営業マン、高齢者ユーザーが陥るワナ・危険性など、多岐にわたる。世代ごとにそれぞれ表出する、これらスマホに因んだ問題・課題に対して、当事者や医師・研究者へのヒアリングに調査データを交え、著者は問題点を浮き彫りにしていく。

 中でも筆者が気になったのは、第1章「子育ての異変」で明かされる、スマホを活用した育児の現状と懸念だ。登場する小児科医によれば、子どもの健全な心の成長には、生後から3歳ごろまでに行われる、親子のフェイス・トゥ・フェイスでのスキンシップがとても重要だという。しかしいま、その大切な親子関係に、スマホが溝を刻みつつあるという。

 例えば、本書に登場する「鬼から電話」は、子どもがいうことを聞かない際、スマホに現れた鬼が親の代わりに𠮟ってくれる「しつけサポート」アプリだ。他にも授乳管理から玩具用途まで、育児をサポートするアプリは活況を呈し、本書に示される育児ママ558人への調査では、0歳児から5歳児のスマホ接触率は58.8%にも達するという。

 こうしたスマホの利便性に依存し、スマホに育児を任せることで生まれる、わが子とのスキンシップ・ロス。それが子どもの人格形成に悪影響を及ぼすのではないかと、医師たちは不安を募らせる。また母親が、チャットやメールなど自分利用のスマホに夢中になり育児をおろそかにする「スマホネグレクト」など、育児とスマホをめぐる問題は今後、より重層化する気配が漂っている。

 本書を読むと、他にも各世代にそれぞれ、スマホ依存によって大切なものを失う「スマホ廃人」への道が見え隠れしているのがわかる。ただ、学生や大人はいざとなれば、自らの意志を奮い起こせば、SNSやソシャゲを封印したり、脱スマホ化だってできる。一方、幼児たちには選択の余地がないだけに、周囲の大人たちがスマホのデメリットにもしっかりと目を向け、子どもたちを守ってあげる必要があるのだろう。

 ちなみに本書によれば、アップル社の創始者、故スティーブ・ジョブズ氏 は、自分の子ども には、iPhoneやiPadは使わせなかったそうだ。その理由が気になった方は、ぜひ、本書を一読してみてほしい。

文=町田光



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