竹内結子語る『ストロベリーナイト』姫川玲子が特別な理由

更新日:2013/6/17

 誉田哲也初のテレビドラマ化作品となった『ストロベリーナイト』(光文社)。2010年11月、スペシャル版として放映され、好評を博したのも記憶に新しい。そして、今年1月10日から待望の連続ドラマが始まった。ノンキャリアの警視庁捜査一課の女性刑事・姫川玲子を演じるのは、もちろん竹内結子。原作者と演者双方が“特別な存在”という玲子の魅力とは?

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竹内 スペシャルドラマでオファーをいただいてから、『ストロベリーナイト』を拝読したんですが、私は玲子の人格そのものにとても興味を感じまして。彼女はとても男勝りで、男性並み、というよりも男性以上に気が強いじゃないですか。

誉田 そうですね。

竹内 でも、だからといって、決して男性の真似をしているわけじゃない。周りが男ばかりの世界で、堂々と「私は女です」と主張しながら生きている。その感じが、すごく新しいなと。

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誉田 新しい、ですか?

竹内 ええ。私がこれまで読んできた小説に登場する「男社会で生きる女性」の多くは、自分の中の“女性”性を押し殺して、自身が男になる感覚で周囲と対峙していた。そうやって世界に臨まないと生き残っていけない、という感じでしょうか。だけど、玲子は違う。「私は女です、だから何?」と、むしろ女性であることを前面に出している。こういうヒロイン像って、カッコイイというか、素敵で、魅力的でした。

誉田 番組公式サイトでドラマの予告映像が公開されていますが、その中にどの話のどの場面なのかがわからないシーンがあるんですよ。僕、原作者なのに(笑)。

竹内 どれだろう?

誉田 玲子が若い男に首を絞められているシーンなのですが……。あれは何なんだろう? まあ、オンエアを楽しみにしています(笑)。

竹内 ぜひ(笑)。原作のショッキングな犯罪シーンがどんなふうに表現されるか注目していただきたいですし、前回のドラマで殉職者を出し、新しいメンバーを迎える姫川班がどう変化していくのかも見所になると思います。イチオシの玲子の台詞は、「このヤマ、絶対にとるわよ」とか、「なめてんじゃないわよ」などの啖呵を切るシーンですかね。「勘!」とか「菊田!」も捨てがたいですが。

誉田 僕も、〈玲子〉シリーズの新連載を『小説宝石』で始めるので、そちらをがんばらなきゃなあと思っています。ドラマでも小説でも、玲子の新しい魅力をお届けできると嬉しいですね。

(ダ・ヴィンチ2月号 「誉田哲也の描くヒロインが刺激的な理由」より)