「涙をボロボロ流して読んだ!」“夢見る心を蘇らせる”!! 女子高生×神様コンビの感動ストーリー

文芸・カルチャー

2017/6/6

『神様の願いごと』(沖田円/スターツ出版)

夢を描くことは、特出した才能を持つ人間だけに与えられた特権ではない。目をみはるような能力があろうとなかろうと、夢は本来誰もが持つことができるものだ。小さい頃はいとも簡単に将来どんな大人になりたいかを描けたはずなのに、人は成長すればするほど、自分の向かうべき道が見えなくなる傾向にある。しかし、人生のなかで、夢は、自分が向かうべき先への道しるべとなり、私たちの行く道を温かく照らし出してくれるもの。これから先どういう道を歩めばいいかと迷んでいる若者にこそ、読んでほしい本がある。

『神様の願いごと』(スターツ出版)は、夢を持つことの美しさを教えてくれる沖田円氏作のハートウォーミングストーリー。沖田氏といえば10代〜20代を中心として圧倒的支持を集めている今注目の人気作家。デビュー作『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』は累計発行部数23万部を突破、次作『一瞬の永遠を、きみと』も累計10万部突破するなど、多くのヒット作を生み出している。最新作『神様の願いごと』もすでに「涙をボロボロ流して読んだ!」「映画化してほしい!」など感動の渦を巻き起こしている。将来に悩むすべての人に大切なものを教えてくれる心温まる作品だ。

主人公は、将来へ夢も希望も持てないでいる高校2年生・七槻千世。ある日の学校帰り、足を踏み入れた神社で、千世は人並外れた美しい男と出会う。彼の名は常葉。この神社の神様だという。夢の神様だという常葉は、将来の目標もなく毎日を生きている千世を嘆き、ついには彼女を祟ることに!? 「この祟りを解いてほしくば、明日からおれの仕事の手伝いをしにここへ来い」。千世は一体これから先、どうなってしまうのか?

女子高生と美しい青年(=神)という異色のコンビの相性は抜群! 憎まれ口を叩き合いながらも、2人は友情とも愛情ともつかない、かけがえのない絆を結んでいく。千世は常葉にいわれるがまま、神社を参拝した人の願いごとを叶えることになる。はじめは祟りを解くためにいやいや常葉の手伝いをしていたが、仕事を手伝うたちに常葉が真摯に町の人のことを考えていることを知り、町の人々の喜びや悲しみに触れていくにつれ、千世は次第に成長していく。しかし、常葉を待っていたのは思いもよらぬ未来で…。その事実を知った時に千世はいったいどんな行動をとるのだろうか。

そんな彼らを取り囲むキャラクターも魅力的だ。甲子園を目指し、さらにはその先にプロ野球選手になるという夢を抱えている幼なじみの大和。料理が得意でパティシエになるという目標に向かって邁進している親友の紗弥。周りがどんどん進んでいくように見えるなかで、千世は未来へどんな目標を立てるのだろうか。

「小さくて曖昧な夢からお前の道は開くだろう。それを目印に進んでいけば、きっとまた新たな望みが見えてくる。どこまでも行け、千世。怖がらず、前を見て。おまえが踏み出す一歩は、すべてが、新たな道へ続いていく一歩だ」

夢のかけらは、日常のどこかにひっそりと潜んでいるもの。ささいに思える目標でも良い。未来にどんな夢を描いて良いのか悩んでいる人。友人たちばかりが目標をもって前に進んで置いてきぼりにされているような焦りを感じている人。そんな悩める人々が夢という光を見つけ出せるきっかけとなりそうな作品だ。

文=アサトーミナミ

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