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アヌシー映画祭を席巻する日本アニメ映画 「ゴジラ」最新作も 【アニメ映画が面白い!第9回】

日本アニメの新たなトレンド 映画の海外上映

 海外での日本アニメの人気は、よく知られている。では海外のファンは、そんな日本アニメをどこで知るのだろうか? 
昔はほとんどがテレビ放送だったが、いまはインターネットがよく利用される。2010年代以降に世界各国で盛んになった日本アニメの正規配信は、時には日本のテレビ放送直後からスタート。グローバルな日本アニメの盛り上がりに一役買っている。

 一方でテレビ放送や動画配信に較べると、日本アニメの陰が薄かったのが劇場上映である。複雑な映画配給の仕組みもあり、映画館で日本アニメが上映されることは少なかった。これではハリウッドの大作映画にはなかなか勝てない。
 ところが近年、これも変わりつつある。徐々にだが、日本アニメの海外公開が増えてきた。2016年には中国で全国公開した『君の名は。』が、興行収入95億円を超える大ヒットを記録。中国での日本映画の歴代記録を更新して、1位に輝いた。
『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』は、日本公開から3ヵ月で海外動員100万人突破。いまや世界が日本のアニメ映画に目を向けはじめている。

新情報も期待? アヌシーに『GODZILLA 怪獣惑星』や『劇場版マジンガー Z』

  そうしたなか、2017年のアヌシー国際アニメーション映画祭が注目されている。6月12日から17日まで、フランスのアルプス地方都市で開催するこの世界最大のアニメーション映画祭に日本アニメ映画が多数登場するからだ。
アヌシーは1960年にカンヌ映画祭から独立するかたちでスタートした。フランス、ヨーロッパからはもちろん、ディズニーやピクサーといったハリウッド映画など世界各国から作品が集まる。

 まずはその映画祭の華というべき長編コンペティション。ノミネート10作品のうち、片渕須直監督『この世界の片隅に』、山田尚子監督『聲の形』、そして湯浅政明監督『夜明け告げるルーのうた』と日本から3本がコンペインした。
いずれも評価の高い作品だけに、グランプリをはじめとしてアワードの受賞も期待される。17日の授賞式に期待したい。

アニメファンにとっては気になる新作情報もありそうだ。ひとつは2017年11月公開の『GODZILLA 怪獣惑星』である。制作進行中の世界的な注目作をピックアップする「Work in Progress」に登場する。
日本の映画界が世界誇る怪獣「ゴジラ」をコンセプトに、『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の静野孔文と『BLAME!』を成功させた瀬下寛之が共同監督、アニメーション制作は『シドニアの騎士』のポリゴン・ピクチャアズが担当する。さらにストーリー原案・脚本、シリーズ構成に『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄(ニトロプラス)を投入と、見どころいっぱいだ。
現地には静野孔文、瀬下寛之の両監督が訪れる。「Work in Progress」は制作の過程を紹介する企画だけに、未公開情報も飛び出るかもしれない。

もうひとつは、東映アニメーションが製作する『劇場版マジンガーZ』(仮題)だ。特別企画で原作者の永井豪が登壇し、映画の制作状況を紹介する。世界先行公開を掲げる本作だけに、最新映像、情報が期待できる。
 期間中は、映画『BLAME!』の特別上映、日本アニメ100周年のプレゼンテーションと『AKIRA』、『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』上映とさらなる企画がある。テレビ、配信から劇場へ、2017年は日本の劇場アニメの海外進出が注目されそうだ。

<数土直志>
ジャーナリスト。アニメーション関する取材・執筆、アニメーションビジネスの調査・研究をする。「デジタルコンテンツ白書」、「アニメ産業レポート」執筆など。2002年に情報サイト「アニメ!アニメ!」、その後「アニメ!アニメ!ビズ」を立ち上げ編集長を務める。2012年に運営サイトを(株)イードに譲渡。


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