「マイケル」と名付けた人形に感情移入して号泣する父…。やまもとりえ、吉本ユータヌキ…SNSで人気の作者19人の出産、子育て爆笑エピソード!

出産・子育て

更新日:2017/7/3

『うちの子の場合!子育てが10倍楽しくなる! 出産&育児コミックエッセイ』(カフカヤマモト、さーたり、ほか/KADOKAWA)

 『うちの子の場合!子育てが10倍楽しくなる! 出産&育児コミックエッセイ』(カフカヤマモト、さーたり、ほか/KADOKAWA)は、人気育児ブロガーやインスタグラマーなど総勢19名の出産・育児話をまとめた、オムニバス形式のコミックエッセイ。

 個性的な作者たちが、本書のために描き下ろした特別なエピソードを読むことができる。その中から4人をピックアップしてご紹介したい。

 インスタグラムで、30万人以上という驚異的な数のフォロワーを持つ横峰沙弥香さんの「年の差夫婦のゆる育児」は、2歳の息子・まめくんとの暮らしの一コマを描く。“おひつ”に並々ならぬ興味を持つまめくんに、「とりあえずやらせてみよう」と直接“おひつ”からご飯を食べさせるエピソードは、なんとも微笑ましい。頭ごなしに禁止するのではなく、やらせてみて本人に納得させるというテクニックは、日頃「ダメ!」ばかり連呼している我が家に、ぜひ取り入れたい。今すぐマネしたくなる、離乳食の下ごしらえ方法も必見!

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 癒し系イラストにファンが多い、やまもとりえさんの「うちはあえての『ゆるゆる育児』」。何気なく歌った鼻歌に喜ぶ2歳の息子くんを見て、彼が求めているのは「いい母」を目指してイライラする自分ではなく、鼻歌を歌う機嫌のいい自分だ、と気づくシーンには、子育てに悩む身としてグッときた。「ちゃんとしなくちゃ!」とついつい力が入りがちな肩を、ほっこりと緩めてくれる。


 男性作者が描く、父親目線の子育て話も面白い。あおむろひろゆきさんの「私がおとうちゃんになる日まで」は、出産までのエピソードが綴られた4コマ作品。プレパパ教室の沐浴体験で、「マイケル」と名付けた人形に、お風呂に入れながら感情移入して泣いてしまう話には、思わず爆笑してしまった。おとうちゃんの一生懸命さを、全力で応援したくなる。


 「おもち日和—うちの子の場合! 編」は、漫画家として活躍中の吉本ユータヌキさんの作品。吉本家の長女、ほんわかキャラの1歳おもちちゃんが可愛いすぎて、何度もニンマリしてしまう。教育についてなど、子育てはついつい“よそ”が気になりがちだが、子供が元気で笑っていれば「焦らずうちのペース」でいいのだ! と気づかせてくれる。


 本書には描き下ろしエピソードのほか、作者へのQ&A形式のインタビューページもあり、読みごたえがある。SNSのURLも掲載されており、気に入った作者をフォローして、あわせて読めばさらに楽しめる。

 子供の気持ちがイマイチ分からずイライラしたり、こんなことするのはうちだけかしらと落ち込んだり……子育ての悩みは尽きないし、人に相談しづらいことも多い。そんな時、千差万別な子育てスタイルをのぞいてみれば、「うちもあるわ~」や「この手があったか!」という発見がきっとあるはずだ。それでも手に負えないほど頭を抱えてしまったら、本書の作者たちが口を揃えて言うように「これネタになるぞ!」ぐらいの大きな気持ちで、子育てを楽しんでいきたいものだ。

文=吉田裕美