「芹澤優」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2017/6/16

芹澤優

 編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第164回となる今回は、声優の傍ら、i☆Risのメンバーとしても活躍し、2017年4月26日にはミニアルバム「YOU&YOU」でソロデビュー、声優としては「プリパラ」の南みれぃ役、「双星の陰陽」音海繭良役、「ラブライブ!サンシャイン」むつ役などを演じる芹澤優さんです。

――4月のソロデビューは、i☆Risとして約5年間活動されてきて、待ちに待ったデビューという印象でした。少し時間が経った今、どんな気持ちですか?

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芹澤:やっぱり私はi☆Risというグループとして見られていたんだなっていうことを実感しました。そして、やっぱりi☆Risって私にとって大きな存在なんだなと思いました。i☆Risとしてアニサマみたいな大きなステージに立つとまだまだだなって思うんですけど、ソロではi☆Risの芹澤優ということで、いろんな方に知ってもらうことができたと思います。

――i☆Risは、パフォーマンスのクオリティの高さや活動内容の充実はもちろん、最近は声優としての出演作も増えていますよね。

芹澤:ありがとうございます。とはいえ、芹澤優としてi☆Risのちっちゃいバージョンになりたくないっていうか、i☆Risの子が別の場所で同じようなことやってるって思われたくない。もちろん、i☆Risのように歌もダンスもがんばるっていうコンセプトは私の中にもあるんですけど、まったく別のエンターテイメントとして楽しんでもらいたいなと、デビューしてから思いました。

――リリースイベントで、ファンの方の反応を受け止められた?

芹澤:すごく楽曲をいいって言ってくださる方が多いなと思いました。i☆Risでもそれぞれ楽曲の好みがあると思うんですけど、今回のミニアルバムでも、この曲が好きっていうのがみんなの中にあるのがすごいし、それも1曲に集中してないんですよ。本当に全曲いい曲を揃えることができたんだと思います。曲の感想ってファンの方に会ってみないとわかりませんよね。でも、イベントでみんなが高い熱量であの曲のあそこがいいよって言ってくれて、このミニアルバムを好きでいてくれるのが嬉しかったです。

――どんな感想が心に残っている?

芹澤:「WAGA-MA-MA-MAGIC」の反響が大きかったのが衝撃でした! ゆったりしたビートやウクレレが個性的な曲なんですけど、ファーストアルバムに入るのは挑戦になるなと思っていて。それを好きだとか、印象に残ったって言ってくださる方がいちばん多かったことにびっくりしました。

――ソロデビューはi☆Risの活動を始めたころから望んでいたそうですね。なぜ“ソロデビュー”?

芹澤:小さい頃からああなりたいって思い描いていた姿だったんです。ステージで1人で歌って踊るっていうのが。

――それはアイドルとは違う?

芹澤:アイドルとは違って。中学生の時からずっと声優になりたくて、平野綾さんや田村ゆかりさんに憧れていたから、声優って歌って踊れるイメージだったんですよ。だから逆に、i☆Risとしてグループで動いている姿が思い描いているイメージと違いました。

――じゃあ今、思い描いていた姿に近づけている?

芹澤:すごく近づいていると思います。可愛い衣装と、すばらしい楽曲と、すごく素敵なライブスタッフがいて…。ただ、私の実力だけが追いついていないなって思います。そのほうが、これからがんばろうって思えるから、いいことかもしれませんけど。もっとたくさんの人に見てもらって、もっともっと大きい会場が似合うような自分になりたいし、歌ももっと上手になりたいし。

――ソロデビューしたことで“歌”に向き合う時間は変わった?

芹澤:ここ2年くらい、i☆Risとは別に個人的なボーカルレッスンに通ってるんです。そこでは、最初から1人できちんとステージに立てるように練習してきたので、それは変わらずやっていきたいです。

――ということは、デビューしてすぐにソロとして躊躇なくステージに立てたのでは。

芹澤:そうなのかな…。いや、まだまだ自信ないです。

――デビューまでもっと時間がほしかったということ?

芹澤:いえ、デビューしたのは今だったなって思います。ただ、もっと上を見ちゃうとキリがないじゃないですか。もっと上にいくには、声優としての実力はもちろんだけど、歌が必要だと思ってます。ステージに立つにあたって、ダンス、ステージの見せ方、曲の間の掛け声…っていろいろ必要だけど、いちばんは歌が大事だと思っていて。うまいというより、人を惹きつける歌。

――人を惹きつける…?

芹澤:人の心にたしかな説得力を持ってダイレクトに響く歌。声優のお仕事ではキャラクターがいるから、私だけど私じゃないんですよ。でも、歌は私のもので、生の私をダイレクトにぶつけられる。そこに関しては、どこまでも突き詰めていかなきゃって思います。

――デビューを経て、ソロシンガー・芹澤優として次に挑戦したいことは?

芹澤:もっとありのままでステージに立てるようになりたいです。1人でステージに立つと緊張するんですよ、すっごく。i☆Risでは、ほどよく舞い上がっているけど、ほぼ緊張しないのに。あ、武道館ではめっちゃ緊張しましたけど(笑)。ソロで動くことにまだ慣れていなくて、いつも「あー、もっとうまくできたかなー…」ってすぐヘコむんですよ。緊張してもいいから、もっといい状態でライブに挑めるようになりたいですね。目標としては、もっと大きいステージに立ちたいですし、いつかアニサマにも出たいです。

――では次に、7月放送のテレビアニメ「賭ケグルイ」について。芹澤さんが演じる夢見弖ユメミは、アイドルだけど、ファンに対して暴言を吐くこともあるキャラクターです。

芹澤:ユメミ役を演じることは、声優としてもアイドルとしても、私の本気を見てもらうきっかけになるんじゃないかって思います。この役のオーディションを受ける時、「大丈夫なの?」っていろんな人から言われたんですよ。「オタクキモイ」みたいなセリフがあるから、アイドルとしてはマイナスイメージじゃないですか。でも、私は声優だから、なんの躊躇もなく、思いっきり悪の感情でいくよって。中途半端じゃなく、本気で演じ切れたら、アイドルが声優をやっているのではなく、本気で声優をやっていることをわかってもらえるんじゃないかと思って。私の声優に対する本気を見てもらえるキャラクターだなってすごく思います。

――あのブラックな感情を声優がどう表現するのか、そこに期待せずにはいられません。

芹澤:テンプレートのお芝居ではできないなってすごく思います。私の役は後半に出てくるキャラクターなので、収録を何度か見学させていただいたんですけど、みなさんすごくて。ワクワクするし、芝居したい欲をかき立てられるし、この中に入ってお芝居するのが楽しみだ〜って思います。ユメミちゃんはほかのキャラクターと違って、ギャンブルに狂っているというよりも、アイドルとしてトップに立ちたいっていう想いが強いから、共感できる部分もあるんですよね。

――「賭ケグルイ」は原作も読まれているそうですね。

芹澤:オーディションを受ける前に初めて出会って、めっちゃハマりました! キャラクターがみんな感情をさらけ出すのが気持ちいいんですよね。現代の子って、本当はもっと可愛い服を着たいけど私には似合わない…とか、本心を隠して生きているイメージがあるんですけど、「賭ケグルイ」に出てくる女の子たちって、大金をかけた戦いをすることで、感情がグチャグチャになるじゃないですか(笑)。女の子がそこまでさらけ出す姿ってあんまり見たことないので、ゾクゾクするっていうか。私、自分が好きっていうのも隠さないけど、女の子も素直な子が好きだから(笑)。

――なるほど(笑)。ではここから、プライベートについても伺います。声優アイドル・芹澤優ちゃんのプライベートということで、いくつか質問を考えてみました。まずは、ある休日のスケジュールを教えてください。

芹澤:休日? じゃあ、この前のお休みの1日にしましょう! この前、実家に帰ってたんですよ。実家で起床して、1階に行って姪っ子たちが遊んでいるのを横目に二度寝して、11時ごろ起きた後、お父さんお母さんとお寿司を食べにいって、母の日だったから私がご馳走して。それから16時くらいに自分の家に帰って、Netflixで映画を観て、19時頃には寝ました。つまり、14時間くらい寝ちゃって(笑)。

――ソロのリリースイベントやi☆Ris のツアーが続いていますし(笑)。Netflixでは何を?

芹澤:「レオン」です。この前「ラ・ラ・ランド」を観た時にワンワン泣いて、帰ってからもずっと切なくて、映像でこんなに感動できるんだって気づいたんですよ。結局「ラ・ラ・ランド」は3回観ちゃったし…。その後も話題になっている映画を観てるし、名作と言われている映画を積極的に観ています。

――ソロデビューした芹澤さん、カラオケでよく歌う曲は?

芹澤: JUDY AND MARYの「そばかす」。YUKIさんが好きだから似せて歌うクセがついちゃってて、モノマネですけど、めっちゃ似てるって言われるんですよ!

――最近聴いている音楽は?

芹澤:アメリカのミュージカルの曲。ディズニーの「アラジン」とか「ラプンツェル」とか、「オペラ座の怪人」とか、英語バージョンのサウンドトラックをたくさん聴いてます。3月にニューヨークに行ったことの影響が大きくて、英語の曲に対して前向きになったんですよ。どこかで英語も勉強したいなと思ってます。

――では、どうしたら優ちゃんみたいに可愛くなれますか?

芹澤:え〜っ(笑)! 自分を好きになって可愛がってあげることかな。ペットに可愛い服を着せる感覚ですかね。せっかく可愛いんだから可愛いって思われたいし、みんなにチヤホヤされたいし(笑)。

――好きだな〜と思う声優は?

芹澤:三森すずこさんが超好きです! すっごくかわいい(笑)。私がTwitterで三森さんのことを「かわいい〜」ってつぶやくと、必ず「ありがとう」って引用ツイートしてくれるんですよ。私のことフォローしてくれてますけど、あんなに忙しい方がこまめにタイムラインを見ていられないと思うし、どうやって私のツイートを見つけてくれるんだろう…(笑)。

――お気に入りの香りは?

芹澤:ニューヨークのケイト・スペードで買ってきた香水。妹にプレゼントしたんですけど、あまりにもいい匂いだから、実家に帰った時にパクってきました(笑)。でも、「返して」とか言ってこないから、気づいてないのかも。だから「パクっちゃった」って言えない(笑)。でも返したくないくらい気に入っていて、毎日つけてます。

――宝くじが当たったら、何に使いますか?

芹澤:ものすごい面白いアニメを作って、私を主役に起用したい(笑)。とにかく、もっとアニメに出たいし、いろんなキャラクターを演じたいんです。だから、いっぱいアニメを作って、全部私が主役でいきましょう(笑)。あ、でもハマッてる役を演じたいから、私が主役になると良さそうなアニメを作ります(笑)。

――自分が演じたキャラクターに1日だけなれるとしたら?

芹澤:ひえ〜、誰がいいんだろ〜。学校にもう一度行きたいから学生の役もいいし、「ムシブギョー」の天間くんみたいに他のみんなに囲まれて楽しそうなのもいいし。でも、「実は私は」の白神葉子ちゃんかな。唯一、両思いのリア充だったんですよ! うらやまし〜。しかも学生だし、吸血鬼だし、毎日が楽しそう(笑)。

――学生に戻ったら青春を謳歌したいということ?

芹澤:したいです! 恋愛とか、いいですね。放課後に自転車で2人乗りしたりとか。自分が学生のころは青春に興味がなかったんですよ。声優になることばっかり考えていて、専門学校にも通ってたから。進路調査票にも「声優アイドル。声優アーティスト。大人気声優」とか書いて、私はみんなが楽しんでるような青春なんて興味ない〜って思ってて。でも、イタいエピソードがたくさんありすぎて苦しいです。でっかいリボンのカチューシャつけて学校行ったりとか。イタい〜(笑)。

――プライベートトーク、ありがとうございます。では、アニメにたくさん出たいという芹澤さんが、声優としてこれから演じてみたい役どころは?

芹澤:私はうるさくてナルシストで…っていうイメージが少しずつ定着しているからこそ、私自身とは違うキャラクターを演じてみたいなと思います。ちょっと自身なさげだったりとか。以前から演じたかった、白いワンピースに麦わら帽子の田舎で過ごした女の子、みたいな正統派の女の子もやっぱり興味あります。

――声優をやっていて良かったと思うのは、どんな時?

芹澤:子ども向けアニメのメインキャラを欠かさずやらせていただいていることですね。ありがたいことに、デビューしてからすぐに「プリティーリズム・レインボーライブ」の福原あんちゃんを演じて、その後は南みれぃちゃんを演じて、今でも「アイドルタイムプリパラ」に出演させていただいていて、子どもたちからすごくメッセージをもらうんですよね。「みれぃちゃんを見て、わたしも声優になる夢を見つけました」とか、「夢をくれて、ありがとうございます」とか、フニャフニャの字で書いてあるのを見ると良かったって思うし、3歳になった姪っ子が「ポップ!ステップ!げっちゅ~」ってやってくれるのも嬉しい(笑)。

――次の世代に夢を繋げているんですね。

芹澤:私も小さい時に「満月(フルムーン)をさがして」の神山満月ちゃんを観て声優に憧れたので、今度は自分が夢を与える側に少しずつ立てるようになってるんだな〜と。

――お芝居をする中で大切にしている“こだわり”はありますか。

芹澤:私にはまだ、わからないです。もう4年もやってますけど、声優っていう職業に対する憧れ意識が強すぎて、お芝居が終わった後に「すごい、わたしジーニアスだったな!」って思えることがないんですよ。「もっと違うことを意識すれば良かったな」とか、「違う観点もあったな」とか反省ばかりで。もしかしたら、答えは一生見つからないかもしれない。ライブの後は「私、今日も超最高だったな!」って思うんですけどね(笑)。

――最後に、読者に伝えたいことをお願いします。

芹澤:私は声優もアイドルもやっているので、本当はどっちがやりたいの? と思われることもあると思いますが、どちらの自分も好きだし、どっちもがんばって、声優業界で初めてアイドルとして胸を張れる声優になりたいと思っています。それは、みなさんの応援がないと達成できないので、応援をよろしくお願いします。がんばります!

【声優図鑑】芹澤優さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

芹澤優

芹澤優(81プロデュース)

芹澤優 Twitter

◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト