マンションは「駅7分以内」しか買うな! 世田谷区も二極化! 資産価値のある不動産の見極め方とは?

ライフスタイル

2017/6/19

『不動産格差(日経プレミアシリーズ)』(長嶋 修/日本経済新聞出版社)

 「トーキョー!」2020年のオリンピック開催の決定に日本中が沸いた、2013年9月。当時の業界予測は「とりあえずオリンピックまで不動産価格は上がりそう!」というものだった。しかし現在は醒めた見方に変わっているという。恩恵を受けるのは選手村やその周辺、それに伴いインフラが充実する、ほんの一握りの都心部のみであり、9割の不動産は資産価値が下がり続けるというのだ。

 『不動産格差(日経プレミアシリーズ)』(長嶋 修/日本経済新聞出版社)は、政治や経済、社会問題など、さまざまな要因と連動して変化する、不動産市場の未来を予測した一冊だ。長嶋修氏は、空き家問題や住宅選び、不動産投資に関する多くの著書を持つ不動産コンサルタントである。本書は2014年の著書『これから3年 不動産とどう付き合うか』を全面改訂したものだ。同じ「世田谷区」でもエリアによって天と地の差

 日本の不動産は「格差の時代」に入っているという。本格的に人口減少・世帯減少が始まると、都心・都市部へ人口が集中する見通しだが、都市部であっても、立地、沿線の動態、地域の災害対応力、自治体の取り組みなどにより、資産価値に大きく差がついてくるという。価値の落ちない不動産を選択できるか否かが、資産の明暗を分けるのだ。価値の落ちにくい不動産は都心部だけでなく、都市郊外部や地方にも見つけることができるそうだ。マンションは「駅7分以内」しか買うな!

 不動産は「立地」がすべてだが、とりわけマンションにおいては「駅7分以内」がポイントだと長嶋氏は述べる。5年前は「駅徒歩10分」でもよかったが、市場が求めているマンションと駅の距離はどんどん近くなっているのが現状だそう。またマンションの資産価値において特に重要なことは「管理の状況」だという。「大切な資産管理をまかせているというのに、管理組合に無関心な住民が多すぎる」とし、マンション管理の質を指標化すべきだと述べている。一戸建ては手入れ次第で資産になる

 現在進んでいる「住宅市場データベース」の整備によって、これまで築30年で価値がゼロとされてきた住宅評価が、根本的に見直されることになった。築30年を優に超え、60年以上も長持ちしている住宅も多いという実態から、やっと先進国並みに「築年数によらない中古住宅の評価」が行われる時代がきたのだ。「価値のあるものとないものがはっきり選別される」ことにより、築30年であっても買ったときと同じ3000万円で売れるものも出てくるという。

 良い中古マンションの見分け方、増加し続ける空き家問題、リフォーム業者の賢い選び方、米国では当たり前のホームステージングなど、不動産の購入や売却の予定がなくても、知識として身につけておきたい内容となっている。

文=泉ゆりこ