「産後の私、余裕もなければ色気もない!」インスタで8万人のママが共感・爆笑した”超自虐”イラスト日記

暮らし

公開日:2017/6/23

『色気は分娩台に置いてきました。』(ヤマダモモコ/三才ブックス)

 母親になったとき、女性は肉体的にも精神的にも大きな変化を遂げる。我が子を育てるうちに性格が変わる母親もいれば、出産を経て体形が変わってしまう母親もいる。夫の頼りなさにブチギレる母親もいれば、心も体も見違えるような包容力を身につける母親もいる。母親とは、偉大であり、壮絶なのだ。

 そんな日々をイラストエッセイでユーモラスに描いているのが『色気は分娩台に置いてきました。』(ヤマダモモコ/三才ブックス)。著者であり、母親でもあるヤマダモモコ氏は、本書の冒頭でこんな言葉を並べている。

「産後の私、余裕もなければ色気もない!」
「時短メイク? すっぴんが一番の時短!」
「プレゼント? 一人でゆっくり寝られる時間をください!」

 実にストロングな言葉の数々だ。ヤマダ氏によると、幸せな妊婦生活を送っていたのだが、壮絶な陣痛・出産を経て、昼も夜もない赤ちゃんへの対応によって、すっかり老け込んでしまった。その「ありえない姿」を絵日記にしたのが本書の始まり。その後、「こんなひどいママもいるんですよ、笑ってやってください」と軽い気持ちでインスタグラムに投稿したところ、たくさんのママたちから「あるある」と言ってもらえるようになり、とうとう本として出版に至ったそうだ。

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この本には、そんな私の「ありのママ」の日々を載せています。「ありえない姿、でも、あるある!」を、どうか楽しんでいただけたら嬉しいです。

 というわけで、本書に載せられているヤマダ氏の超自虐的「ありのママ」をほんの少しご紹介したい。

■神は、JRにいた。


 ヤマダ氏は妊娠時、満員電車に乗る機会があったそうだ。しかしニオイや人ごみで体調が悪くなってしまった。そのとき、普通のおじさんが席を譲ってくれたらしい。そのときの心境をつづったのが、この1枚。このとき、普通のおじさんが舘ひろしに見えたらしい。相当な感謝の思いが湧きあがったようだ。

#妊娠中に席を譲ってもらえると、本当に助かる
#産後、一人で電車に乗っていたら席を譲られた
#マタニティーマークより効果のある贅肉、プライスレス

■私の見た目が、感動のワンシーンを邪魔する。


 壮絶な出産を乗り越え、ついに我が子とご対面したヤマダ氏。その感動のワンシーンをツーショットに収めた。しかし後日、その写真を改めて見ると、愛くるしい我が子の隣に映る自分の姿を見て……。

#あわよくば私だけトリミングしたい
#母親の私までガッツ化してる
#完全にNG牧場

■ググる量と、母の疲労度は比例する


 男で独身の筆者にはまったく分からないのだが、ヤマダ氏によると、母親になると世間と距離ができて、孤独を感じるそうだ。スマホは子育てに追われる生活の中で、唯一世間とつながっている気にさせてくれるという。深夜にネガティブになると、ついつい救いのない検索を始めてしまうとか。

#辛ければ辛いほど、そこに救いはないのにググってしまう

 終始このようなテンションで、ヤマダ氏の「ありのママ」な日々が紹介されている。本書では後半になると、「おむつソムリエ」と化すヤマダ氏、尻の格差社会を痛感するヤマダ氏、先輩ママ面するヤマダ氏など、爆笑必至の超自虐エッセイが続々と登場する。子育てに疲れてしまったときは、ぜひ本書を開いてみてほしい。

 最後に、筆者イチオシの一枚をご紹介したい。

■不思議の国の妊婦


#タマゴ型フェイスになりたいと思っていたら
#いつの間にかタマゴ型ボディになっていた不思議
#モモコ・イン・ワンダーランド

……いやいやヤマダ氏、さすがにこれは笑いを盛りすぎではないだろうか。

文=いのうえゆきひろ